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「夢の国の創設者ディズニーが伝えること」(まちセミ講演録:金子洋二その3)
2013/02/06
スタジオファイル代表 金子洋二さん講演会 「ミッションからはじめる組織運営」~NPOに学ぶ「思い」と「経営」の両立~ 2012年12月22日 富山国際会議場 主催 NPO法人GPネットワーク 協賛 富山大手町コンベンション その3 「人」(顧客・スタッフ)について
~夢の国の創設者ディズニーが伝えること~
NPOの構成要素の一つである「人」というものを考えていきたいと思います。顧客であるとか、組織に関わっているスタッフ、会社でいう社員、職員、そういう人たちについて考えてみます。
また先人の言葉を借りるのですが、ウォルト・ディズニーの「裏舞台にある魔法は人、人こそ最大のアトラクション」です。ディズニーと言えばエンターテイメントの巨人ですよね。遊園地はもちろんですが、映像会社等、あらゆる人を喜ばせる世界で本当に大きな業績を残した方ですね。あるインタビューで「ディズニーランドはどんな魔法があるのですか?人を楽しませて、夢を与えて、喜ばせる。その秘密というのはどこにあるのですか。」と聞かれたときにこう答えているのですね。
「そのエンターテイメントの裏舞台にある魔法は何てことない、人なのですよ。」と。人が魅力的だから、サービスを提供する人が魅力的でなければアトラクションも魅力的にならない。裏で動いている人こそがアトラクションの最大の魔法であるということなのですね。
震災の後に東京ディズニーランドについても報道で非常に称賛を集めました。大きな地震があり、東日本大震災があり、その直後にディズニーランドのスタッフがどのように動いたか。マニュアルもあったでしょうが、一人一人の意識が高かったのだと思います。自分のすべきことを皆それぞれ、その場その場で判断し、第一にお客さんが安全で安心して過ごせるような場所に誘導し、毛布、売物の水や食料を配ったりして滞りなく進めていった。
またよく言われるのはディズニーランドの清掃スタッフ。掃除をしているのにあたかも一つのショーを見ているような作業であるという。オリエンタルランドの人材育成の素晴らしさが各界から称賛されているところですけど、その根本にある素養ではないかなと思います。創設者のディズニーさんが考えてグループをつくってこられたということなのです。というちょっと壮大な話からまた現実的に考えていきます。
2種類の「顧客」について
NPOには2種類のお客さんがいると言われます。2種類とお客さんと言ってピンときますでしょうか。会社のお客さんには、モノとかサービスとかを提供しますね。それを買う人がお客さんです。一対一の関係と単純に考える。行政のお客さんというのは税金をもらい、税金を元手に公共的なサービスを提供する。納税者と役所の関係です。同様に一対一で考えられる。NPOが特徴的なのは、2種類のお客さんがいるところにあります。
まず大事な第1の顧客は、受益者、NPOが活動することで利益を受ける人々、支援対象者のことです。分かりやすく言うと高齢者の福祉をミッションとしている団体ならばお年寄りの方ですね。NPOの活動をすることで助かる人たちです。難病の患者さんの支援というNPOであればその患者さんやその家族の方々、障害者の自立を支援しているところであれば障害を持っている方などが第一の顧客です。
これはミッションの直接対象となる人々と言い換えてもいいと思います。第1の顧客が必ずしも活動に必要となる資源を全部提供してくれるわけではないのですね。第2の顧客とは、その活動を成り立たせるために支援してくれたり、協力してくれたりする応援団を第2の顧客と呼んでいます。NPOの目的に賛同して活動を支援する人々、寄付してくる人々、助成してくれる団体、賛助会員等を第二の顧客と言います。もちろんどちらが大事かというと第1の顧客です。この人たちのために活動があるからです。この人たちのための活動があって、はじめて第2の顧客が得られるわけですし、第1の顧客ための活動がうまくいって、はじめて第2の顧客の獲得ができるということなるわけです。
しかし両方の顧客がいないと経営が成り立たない。そのような関係になるわけですね。どうでしょうか。「NPOは」ということを前提に話をしましたがこの考え方は企業や行政に当てはまりませんか?行政や企業は一対一の関係で、NPOは二種類のお客がはっきり分かれているということが特徴的で説明がしやすく分かりやすいです。どうでしょうか、別に行政でも、企業でもこのような考え方をしてもいいですよね。
誰のために自分たちは商品開発をしているのか。誰に喜んでもらいたいのか。この人が第1の顧客ですね。それを可能にするため色んな人たちのお手伝いが必要なわけです。より質のいい商品、より質のいいサービスを提供するため、お客さんに喜んでもらうためには第2の顧客的な存在というものが必ずどこかで関わるはずですね。こういう考え方をすることで、その企業の価値がもっと上がるのではないでしょうか。もっと行政サービスの価値が上がるのではないでしょうか。
最近私が気付いたのですが、企業とNPOは特徴が違いますと話をしてきたのですが、そうじゃないぞ、自分のなかでしっくりきていなかったのですね。「企業だっていい仕事しているところがあるじゃないか。」、「行政だってNPOよりよっぽどいい動きをしている職員たちがいるじゃないか。」と思った時に、どこを向いて仕事をしているのだろうかと考えた時に、この人たちの中で第1、第2の顧客がちゃんとあるのですね。他からお世話になっていい仕事ができている。特に協働なんて言葉がもてはやされますが、協働について考えるときに見えてきますね。ということでこれも必ずしもNPOだけに当てはまるものではない。この観点から組織の成り立ち、事業等をみていただけたらと思います。
NPOの運営資源について
第1の顧客、第2の顧客を分かりやすくする図なのですが、NPOの運営資源というものを表してみました。これも複雑に説明するとややこしいのでさらっと話をします。単純にパッとみて感じていただきたいのが、NPOというところに異様に複雑に矢印が出たり入ったりしていると思います。
行政はシンプルな捉え方をすると税金をもらって事業で返す。企業はサービスとか商品を買ってもらって消費活動でそれに対してものを提供する。「NPOの運営資源」というタイトルとなっているので社会貢献活動となっているのですが、企業と市民との関係でみるとサービスを提供して買ってもらうという関係になります。一対一で単純なのですが、NPOは色んなところから考えてみるとお金をもらったり、あるいはボランティアで労力を資源として提供してもらったりしているのですね。
色んなところから資源をもらいバランスをとりながら自分たちのミッションである顧客、第1の顧客が幸せになるために事業を展開する。そんな図になっているわけです。色んなところから資源をもらいながらやるというのが非常に重要でして、例えばよくあるのは行政からの働きかけで、市民参画とか市民主体のまちづくりをはじめることがたいへん多くなっているのですけど、市民や団体にNPOでもつくらないかという囁きが来るわけです。
行政の働きかけがきっかけで立ち上がるNPOが数多くあります。それが全てうまくいかないとは言いませんが、そのようなきっかけでつくられると進めていくとやらされ感が出てくるのですね。自分たちで徹底的に意見を出し、その中から出てきたミッションをもとに実践していないケースが多いので、そうなると非常に継続が難しくなります。そのようなNPOの内実をみるとほぼ100%行政からの委託事業や補助金で成り立っている場合が珍しくない。行政の仕事は、毎年同じ事業が永遠と続くわけではないですね。選挙結果で突然施策が変わったりすることも珍しいことではない。単年度を区切りとしているため来年度も同じ事業をするかというとその保証はない。
ミッションを達成するはずの集団が行政の都合でもって活動が立ち行かなくなるのは本末転倒である。企業でも同じことが言え、企業お抱えの外郭NPOが結構あります。一つの限られた企業からドンとお金を出してもらって運営資金としているNPOは、NPOの経営としては足腰が弱いですね。景気が悪くなると、企業がどこから削るかというと、NPO等の活動をはじめに削る。そうなるとミッションが達成できなくなる。色んなところから第2の顧客を複数もち、自分でもお金を稼ぎながらバランスよく運営していく。そういう意味で自立していることが大事です。
これについてもNPOだけに限った話ではないと思います。行政は分からないが企業も自分たちが本当に目指したい商品価値とかサービス価値を追求しはじめると、あちこちに左右される経営体はよろしくない。やはり同じように言えるのではないかと思います。
社会が悪い状態であるときにNPOが活躍するアメリカ社会
アメリカで私が勉強させてもらったときにうまく出来ていると思ったことがあります。どうしても社会というのは景気の波に左右されます。景気が悪くなると行政は税収が減ります。企業も似たようなところがあると思います。ものが売れない、サービスが売れないと非常に経営を圧迫する。やはり行政や企業が圧迫されると世の中の活力に関わる。
景気が悪くなると困る人がたくさん増えます。失業者が増えたり、自殺する方が増えたり、病気になってもなかなか治療するお金がない方が増えたりと困っている方が増えるのですが、そういう人たちを何とかしなくてはならないと人間は自然に思いますよね。アメリカがよく出来ているのはそういう人たちをケアしてくれるところに少しでも資源を向けようという力が働くことです。
景気が悪いと言ってもお金を持っている人は持っている。アメリカにおいてお金を持っている人はより熱心にNPOに寄付をするのですね。行政も大きな公共投資等、手がいかなくなるのですけど、福祉に関わる最低限の人々の幸せを守るための施策が増えたりしますので、そこを通してNPOに対してお金が流れこんだりする。景気が悪くなるとNPOにお金が流れ込む現象があり、社会が悪い状態にあるときにかえってNPOが活躍するという存在なのです。
NPOが活躍するとお金や人が動いたり、雇用が確保されたりしてそこで何とか社会が持ちこたえるのですね。公的なサービスを提供しつつ、持ちこたえて一番悪い時期を脱して、また景気が上っていくというサイクルになる。アメリカという国は競争社会ですし、貧しい人がたくさんいて困っていますし、バランスの悪い社会だなと思いながら勉強しに行ったのですが、世の中の仕組みをみるとNPOがうまくはまっているのですね。
日本はこれまで困った事態というのが戦後あまりなかったですね。戦後すぐの一時期を除いてなかったのではないかなと思います。未だかつて、今ほど色んな課題とか問題に溢れている時代はないのではないでしょうか。社会の構造をみていくと段々とアメリカ化している。そんな中で昔はこういうNPOみたいなものがなくてよかったと思います。
なぜかというと、NPOがなくてもそれなりに食べることができていて、幸せで余裕のある国だったからです。社会がこれだけ構造的にアメリカに似てくるとこういうものが必要になってくるのでしょうね。悪い時代に活躍してくるセクターの存在は、一時期になるのか、これから先ずっと必要となるのか分かりませんが、必要なものとして皆が応援しなくてはならないと思います。
あるところで意味のない競争に見切りをつける必要性を感じます。日本の会社は社員を大事にするのがすごくいいところだと思います。それが非常に怪しくなっている。そこにまた立ち返り会社がCSRという新しい言葉を使わなくても世の中のために、まちのために、活動するようになればNPOなんて育たなくて、いらないのかもしれないですね。私的に考えるのは、日本の企業とNPOは紙一重なところでどっちも成長してもいいのですが、組織経営というものを一緒に考えていかないと日本の社会は中々立ち直らないと思います。
顧客考
~人は人のために学び、人のために働く~
顧客について考えてみましたので紹介します。まず、「人は人のために学び、人のために働く」。これは私を市民活動の世界に引きずり込んだ大学時代の恩師である多賀先生という方の言葉です。早稲田大学の教授なのですけど、私は新潟大学なのですけど早稲田ではありません。新潟大学から先生が早稲田大学に行かれました。新潟大学に赴任していた頃に教えて下さった。
この反対は「自分のために学び、自分のために働く」になるのだと思いますが、人は努力したり、一生懸命勉強したり、一生懸命働いたりという行為というのは、どういうところからモチベーションになるのでしょうか。「自分のために」というのはきつくないですか。しかし、「自分が!自分が!」になりがちなのですが、人間は「自分が!自分が!」という気持ちを持ちながら勉強したり働いたりすると辛くなってくる。拠り所は自分の中にしかない状態です。人のためにと考えると逆に楽になるのですよ。
自分を中心に自分を高める、バランスよくスムーズにできる人というのは、お釈迦さまとか特別な力のある方だと思います。人のために支えられることで自分が育つ。その考え方が楽です。そのような本能を持っているということを先生は伝えられたのだと思います。あらゆる動物の中で人間だけですね。このように思って自分を高められるのは。自分以外のために働くと思えるのは人間だけだと思います。これはきっと本能だと思います。
~人を楽しませたい。そうすることで自分を認めることができる~
似たような言葉だと思いますが、「人を楽しませたい。そうすることで自分の存在を認めることができる」これは宮崎駿さんの言葉です。世界の宮崎駿、名作を数多く世に生みだしているすごい精神世界を持っている方だと思いますが、どうして精力的な仕事ができるかと言うと、やはり人を楽しませるという人のためという想いが中心にあるということです。
~「自分が」ではなく「相手に」認められる~
これもまた同じですね。誰しも認められたいというのが人の嵯峨だと思いますが、それも考え方ですよね。「自分が」認められたいと思うといつまでも満足しないわけです。思うようには誰も認めてくれないわけです。だけどもその起点を相手に向けると感じ方、考え方が変わってくる。相手に認めてもらえるための小さなステップを積み上げていくことが高めていく秘訣かなと思います。
相手目線で、相手が認めるのは相手なわけですね。価値観を相手におくか、自分におくかで健全性が変わってきますね。特にNPOをやっているとそう思いますね。あんまり自分の理念、理念と固執してしまうとくたびれて疲れてしまう。どんなにがんばっても人が認めてくれないというストレスばかりが溜まってくる。
だけども自分がうまく一つ何かできたときに周りの人が喜んでくれたということを糧にする。そのように考えることで、さらにモチベーションが上がると思いますし、なりたい自分に近づけるのではないかと思います。
~「きっかけ」「メリット」「やめない理由」~
「きっかけ」、「メリット」、「やめない理由」、これは何かというとネットワークの構成要素です。人のつながりですね。よくNPOの困っていることなんかを調査をしたり、聞いたりすると人が集まらないとか、担い手が育たないとか、活動が定着しないとか人に関する内容が断トツトップで出てきます。
そういう人たちが人を引きつけて、その共感を得るためにどんなことをしているかと聞くとできていないというのがネットワークの構成要素のマネジメントです。必ずその仲間に入るためには「きっかけ」があるはずです。誰しも最初は団体の抱えている理念にものすごく頭から賛同して入る人なんてそうそういないはずです。なんか簡単なきっかけがあり低い入口のすっと入るきっかけですね。そのきっかけをちゃんとつくっていますか。
入ってくれた人には、一緒に仲間になってよかったという何かがないとダメですよね。それが「メリット」ですね。仲間でいることのメリットを提供できていますか。何をメリットにしてつながっていますか。これは想いの世界ですよ。そこにお金が介在しても悪いことではないですよ。基本的にお金を介在したとしてもバックグラウンドには想いがあるというのがNPOの考え方ですね。何かしらのメリットが提供できているかどうか。
あともうひとつ、出口をちゃんと閉めているかどうか、「去る者は追わず」でいいのですが、せっかく仲間になってくれた人たちが続けていて、へそ曲げて「やめちまえ!」という瞬間があって辞めていくわけですね。その芽を摘んでいるかどうかは重要な要素である。心の面からネットワークをみると「きっかけ」「メリット」「やめない理由」の三つの理由、それぞれに作戦を持って考えられているかどうかだと思います。
~より重要なのは、ミッションとの符号~
そして最後、くどいかもしれませんが、顧客について考えるとさきほどの絵のように顧客のニーズはもちろん大事です。そこに応えるところにミッションが重なるのですが、ミッションはもっと先の自分たちの中にあるべきもので、自分たちの中にあって、そこから顧客のニーズを考える。その順番でやらないと疲れます。誰のためにやっているのだということになるのです。
共感形成の3つのステップ
~興味・関心の1段階~
「共感形成の3つのステップ」が共感を広めていく。共感のマネジメントですが、どうやって広めていくかを考えていきます。さきほども「きっかけ」と言いましたが、まずは、ちょっと興味とか関心があるだけという層の人がいると思いますが、その人たちに分かりやすく、親しみやすく、なおかつ具体的に「自分たちがこう動くことでこう変わるのです。」ということをものすごく分かりやすく、あと押しつけなく伝えることも大事ですね。我々の活動はいいに決まっているだろうという臭いをさせないこと。
~利用・協力の2段階~
それから一歩進んでいくと、その団体が提供している価値に賛同して積極的に利用してくれたり、協力の手を差し伸べてくれたり、そういう人たちに対しては、もっと一歩強い、自分たちの価値に軸を置いた響くメッセージ、「かっこいい」、「そうそうそれそれ」というメッセージが必要になってくるのだと思います。実際に自分たちが動いてどれだけの成果が出たかが伝わるアクション、どれだけの成果を残せたかということを伝えることによって、さきほど言ったメリットですね。目に見えて自分が仲間に入ったことでこういう成果が出たということを共有できる。そのようなアクションを伝えることが必要だと思います。
~協働の3段階~
もう一歩進むと仲間として、パートナーとして一緒に動くそういう段階に上がると思うのですが、そのような人たちに対して、目的よりももっと具体的な目標が必要です。「一年後にこうなっていましょう。」、「三年間でここまで達成しましょう。」という具合に目標を共有すること、その目標に向けての役割分担をしっかりとやる。しっかりと示すことでその人をお客にしないということですね。「自分も役立っている。」、「自分はこういう部分を担っている。」ということを意識してもらうのがこの段階で重要なポイントだと思います。
3つのステップを踏むことで、共感が高い所へ育っていくのだと思うのですが、それを横に串刺しにするのが、何といっても「理念」ですね。目的の達成というのが大きな理想像としてその先にあり、それに向かって興味関心の入りやすいところから協働等がっちりと一緒にやるところまで串刺しされているというのが共感形成の形であると考えています。
大学生が考えた「共感形成」(共感形成の3つのステップ具体例)
具体例なのですが、毎年大学の講義の中で取り上げているのですが、「興味・関心」から「利用・協力」、「協働」という3つのステップに分けて、「みなさんが世の中に広めていきたいことをどのように共感を広めていくかをデザインしなさい。」という演習で学生にやってもらいます。ある学生がつくったもので、面白く、よくできているものを今日紹介したいと思います。
その学生が理念として伝えたいこと。富山に来てこのテーマはちょっと挑戦的な感じがしますが、コシヒカリの故郷ですからね。すっかり新潟が頂戴していい思いをしているかもしれませんがお陰さまで日本一のコメどころなんてちょっと自惚れたことを考えているわけです。その女子大生も新潟の米は日本一だということを世の中にもっと広めたい、共感を広めたいということをテーマにして考え始めてくれました。
「興味・関心」がある比較的広い層に関しては、訴えかけとしては全国の消費者に対して、それを対象にしたい。キャッチコピーとしては、「あなたは、今食べているそのお米に満足していますか?」そのような呼びかけで訴えかける。アクションとしては、米-1(ベイワン)グランプリを新潟で開催する。普及啓発を促進していく。
一歩進むとどうするのか。対象は県内の消費者です。比較的近いところの人ですね。それから新潟米をおいしいと思ってくれる人ですね。これは県内外でもいいと思うのですが、新潟米の価値を見出している人たちに対して違う米の魅力で働きかける。「華麗なるお米族~パンに麺に大変身!」という感じです。米はこんな色んな事に役に立つのだという切り口から新しいファン層を拡大していく。アクションとしてはTVや新聞広告で広報してはどうか考えている。よく出来ているでしょう!
もう一歩進んで、「協働」の部分になってくると、対象は同じ思いの農家や食品関係の人々になります。キャッチコピーは、「米は永遠に日本の主食だ」です。ジーンとくるものを持ってくる。米に対する愛情をかきたてることを前面に掲げて、やることが憎いですが、新潟の食材でご飯に合うおかずを開発する。ご飯に合うおかずを開発することでご飯の価値も高まりますよね。新潟産の食材を使うことで新潟の米というストーリにもつながりますし、お米農家以外の食品業界を巻き込む、協働にからめる。というすごい学生で、卒業したらNPO協会に入ってくれないかなと思ったりしました。例えばこんな感じで共感を広げて行くという話でした。