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過疎の村から世界のマーケットを取りに行く。 (まちセミ講演録:高野誠鮮その5:最終回)
2013/01/23
スーパー公務員「高野誠鮮」さん講演会 「こうすれば人は動き、まちは変わる」 2012年12月15日 富山国際会議場 主催 NPO法人GPネットワーク 協賛 富山大手町コンベンション株式会社
その5
さて、私たちは、2年前から、根本的な問題に取り組んでいます。
私たちが作っている米は腐りません。
皆さんが食べている米、腐りませんか。白米をコップに入れて水を入れておいたらカビ生えませんか。皆さんが食べている果樹・野菜、腐りませんか。中国から輸入した、ほうれん草、冷蔵庫1週間で溶けていますよ。私たちが作っているリンゴは枯れるのです。
この農法を最初に作りだしたのは木村秋則と言います。弘前にいらっしゃるリンゴ農家です。水稲、野菜なども作っておられます。この方の農法を自然栽培と言いますが、農薬・肥料・除草剤、外部から一切資材を導入しないのです。すると、枯れる野菜ができるのです。生命力が強いです。
そのトマト、水に入れたら沈むのです。皆さんのトマト、水に浮きませんか。農薬・肥料・除草剤を使わないトマトは沈みます。
先ほどの木村さんのリンゴも沈みます。
腐らず枯れる野菜や穀類を輸出することが出来れば、嫌なものを出すのではなく、イタリアの米は腐りますよ、私たちのコメは枯れますよ、枯れるものを食べませんか。
今までの日本人は、家電製品、電子部品、車、など世界に売ってきたのです。何で、コメ、野菜、果樹を売らないのですか。これは、世界が求める商品です。
しかし、勘違いもあります。 JAS有機、一番初めに腐ります。
JAS有機は安心な野菜だったはずです。なぜ、最初に腐り始めるのですか。中国の野菜と一緒です。最初に溶けますから。
八百屋さんで聞いてみてください。有機は足が早いからねと言われます。
分かりますか。食べてはいけないものは溶けるのです。植物は枯れるのが基本なのです。もし腐るのだったら、山は枯れ葉が腐っていたら、臭くては入れませんよ。腐るのは異物が入っているからなのです。
つまり、JAS有機は食べてはいけないものなのです。私たちは、有機栽培を否定しているのでは無いのです。未完熟な有機肥料を使うと、野菜が溶けるのです。日本には完熟と未完熟の境の規制が無いのです。未完熟でも良いよと言っているのがJAS有機法なのです。ザル法です。未完熟の有機を使うくらいなら、何も入れない方が良いです。
このことは、江戸時代の人たちは知っていました。こんな未完熟のものを使うのは、火縄銃の火薬を作るときだけです。五箇山です。穴を掘って、枯葉を入れて、し尿をかけるのです。何が取れるか、硝酸の結晶塩です。
一番初めに腐る米、JAS有機米。2つめ、冬に水を張って、野鳥を呼んでいる田んぼの米、若しくはアイガモ農法、こんな米臭くて食えません。鳥の生糞が入るからです。是非、止めてください。冬水田んぼもアイガモ農法も江戸時代にはやっていません。私たちは間違いを犯しています。
九州くらいの面積しかないオランダが、世界3位の農産物の輸出国なのです。1年間68億ドルです。日本は48位、年間たった1億ドルです。
じゃあ、日本のものは売れるのか。売れません。何故か。ヨーロッパの基準では生鮮加重1kgあたり硝酸塩の濃度が2500PPM以下のものしか扱えないのです。流通できないのです。
日本は8200PPM。これは、ヨーロッパでは廃棄物の値です。人に食わしちゃ犯罪です。
ホウレンソウ、完全にアウトです。日本で売られている野菜。何一つヨーロッパでは流通の基準に合いません。
せっかくの技術がある日本で、売れないものばかり使っているのです。
未完熟な有機肥料や化成肥料を大量に使っていると、植物の体内で硝酸体窒素がたんぱく質やアミノ酸に変わるのが間に合わなくて、植物の体内に大量に残るんです。ヨーロッパの基準には合わない、非常に高い数値で残ってしまうのです。日本の基準はゆるいのです。
硝酸濃度の高いものを虫は大好きなのです。だから虫がつくのです。山の天然の栗には虫はほとんど来ません。何故、栽培の栗は虫だらけになるのか。だから殺虫剤がいるのです。
農家も勘違いしています。おれのダイコン見てくれ。農薬を使わないからこんなに虫が食っている。違います。虫が来るものは危険なのです。人間が食べてはいけないものを、虫がみんな食べてくれます。蠅は腐ったものに集って我々に教えてくれるのです。
硝酸塩は、口の中で亜硝酸に変わります。胃酸と反応してニトロソ化合物になります。発ガン性物質です。危ないです。
日本人のお金持ちは、発ガン率が高いのです。JAS有機ばかり食べていると発ガンします。
逸見正孝さん、アナウンサーでしたがガンで亡くなりました。奥さんは、健康を考えJAS有機に切り替えました。1年ほどで奥さんもガンで亡くなりました。
おかしいと思っていたのです。しかし理由が分からなかった。自然栽培と出会って初めてわかりました。
遺伝子組換え、安心ですと厚生労働省は書いています。本当でしょうか。GMOは遺伝子組み換え植物のことですが、大豆400万トン、トウモロコシ1300万トン、入ってきています。
皆さん、口にしていませんか。加工品には書いてないですよ。日本という国をよーく考えてみてください。40兆円しか収入の無い国で、30数兆円の医療費を使っているのですよ。一般家庭で、400万円の収入で300数十万円の医療費を使っていたら、何かおかしいものを食べていると思うじゃないですか。
何故、ドイツやフランスは必死になって遺伝子組み換えに反対したのですか。このフランスの新聞ルモンドの記事は、遺伝子組み換え食品でねずみが13ヶ月で全て発ガンしたという記事です。
日本は無防備ですよ。厚生労働省が遺伝子組み換えを安全と言うのなら、そこの役人は愛する奥さんや子どもに、毎日、安全な遺伝子組み換え野菜を食べさせてあげてください。13ヶ月で発ガンしていますよ。
作ったメーカー、モ○サ○トの職員は食べないのですよ。自分たちが食べないものを、何故、日本人が食べなきゃならないのですか。フランスが危ないと言っているものを、厚生労働省はなぜ安全だというのですか。
そんな国潰れますよ。国民に毒を食わせるような政府は終わりですよ。
だから、僕らは反対しているのです。
国連の食料農業機構の環境部長を呼んで、神子原を見せました。
あなたに、日本が見せることが出来る、最先端の農業システムをお見せしますと言って来てもらったのです。
お見せしたのは、農薬、肥料、除草剤を一切使っていない、農協がやっている田んぼです。皆さんの農協、農薬、肥料、除草剤を使うなと言っていますか。そんな農協は、今日現在、日本に3箇所しかありません。宮城県の加美よつば、羽咋、岡山の3つです。 でも、来年はもっともっと増えます。
そんな栽培で米はできるのか。出来ます。1反に7俵ちょっと収穫できます。この米は腐らないのです。僕らの米を水に漬けておくと、甘い香りがして発酵するのです。普通の米、カビが生えて腐ります。発酵する米と腐る米、どっちを食べたいですか。
私たちがこれをやろうとしたら、周りは大反対でした。そんなことしたら害虫の温床になる。害虫がここから回りに飛び出すというのです。
ところが現実は、虫は農薬を撒かれた田んぼからここに非難してやってきます。ここから外へは行きません。そして、ここで食べられてしまいます。
何が起こっているか、ここは、水中の生物が非常に多いのです。カマキリ、ゲンゴロウ、ヤゴ、ありとあらゆる生物がいます。くもの巣がたくさんあります。耳をそばだてると、ブーンというミツバチがたくさんいます。カメムシが入ってくると大きな殿様カエルに食べられてしまいます。特定の害虫が大発生することはありませんでした。
肥料を撒かなければ植物が育たないのであれば、今世紀まで植物は生きてこられません。
誰か山に肥料を撒いていますか。それでも、山菜も毎年育ちます。収穫できます。私たちはこれをジャポニックと呼んでいます。これを世界に広めようとしています。
先ほどの田んぼ、遊休農地なのです。4年も5年も肥料・農薬を撒いていない農地は宝なんです。成分解をおこして、以前の農薬や肥料が消えている可能性が高いです。
そんな米が売れるのです。フランスの超高級フランス料理店でも使ってもらっています。
このマーケットを取れれば、オランダ並みにいけます。輸出できないものでなく、輸出できる農産物を作らねばならないのです。
これ、全国に広げれば、オランダ並みになっただけで68倍になります。68倍に急成長できる可能性のある産業は農業だけです。私たちは、本格的に世界に打って出ようとしています。駄目もとなのです。成功と失敗は紙一重です。何かやるから失敗し、何かやるから成功するのです。
しかし、何もしないこととは、雲泥の差があります。世界中に1個でも前例があれば出来るはずなのです。うちの若い職員向けですが、冒頭にも言いましたように、役人は役に立つ人なのだよ、必要な人間になるのか、不要な人間になるのか。オーナーは住民なのだから、血税なのだから、自分の狭い経験とあいまいな知識で判断していないか、出来ないと他の人が思うことを成し遂げる時に大きな喜びがあると伝えています。
今、我々がやろうとしていることは、過疎の村から世界のマーケットを取りに行く戦略なのです。しかも、相手が本当にしあわせになってくれるものを届ける。嫌なものを相手に押し付けるのが戦略ではないのです。
日本をもう一回み直してもらおう。国がやらないことを地方でもやろうと思っています。
最後までありがとうございました。