レポート

まちづくりセミナー2016

第四回講演録 講師:山下裕子氏

2016/11/04 

2016年まちづくりセミナー第4回講演録

平成28年3月12日(土)

TOYAMAキラリ 図書館セミナールーム

主催 NPO法人GPネットワーク

 

「ヒトとヒトの間をつくる」

講師 山下 裕子氏

 

みなさん、こんにちは。今、たくさんご紹介していただいたので、あまり自分で自己紹介する必要はないかなと思っております。

一昨年になるんですかね、富山に住んでおりました山下と申します。

 

 少し前に、7年間ばかりグランドプラザのスタッフをしていた経験から、今日も受付にちょっとだけ持ってきたんですけども、本を書きました。これまでお陰様で気が付くと50回ぐらい人前でこうやってお話をする機会をいただいてるのですが、「今日は富山の話はするなと。当然だろと。」と仲間に言われ、ここは富山ですし、みなさん本当に私よりむしろ富山をよくご存知ですし。というか、こんなにお世話になっている方々の前で話す機会は、おそらく一生に一度だと思い、いろんな意味で緊張しています。

 今日はうまく話せるか分からないのですが、いつもは「グランドプラザ」というまちなか広場がまちに出来たことによって、富山のみなさまの生活がこんなに豊かになっています。と、いった事例のご紹介をさせていただいていることがほとんどなのですが、それはみなさんご存知のことですし、みなさん自らやっていらっしゃる方たちなので、今日は京田さんがご紹介してくださった通りに、被害者の会という風に言われたりもするのですが、私は人と人との間をつなぐようなことをよくしていると言われていまして、その活動の一端をご紹介できればと思います。

 と、言いましても私自身は実はあまり意識しておりませんで、無意識に結構やっていることですが、まちづくりとやまの社長であられた神田副市長に「ひと・ネットワーククリエイター」という肩書きを、富山を卒業する際につけていただき、今もこの肩書きを使っております。そのひと・ネットワーククリエイターとして今、久留米に住んでおりまして、久留米で何が起きているのか。ということをお話させていただく中で、自分が何をしているのかということを、自分自身もちょっと考え直す機会になったらいいなと思っております。よろしくお願いいたします。

 

 自己紹介をということなんですが、いま、ご紹介がありましたので、割愛させていただきますが、一つお伝えしたいのは、私は8県ぐらい住んだことがありまして、その中でも富山はもう移ってしまいましたが、15年位住みました。自分の人生の中で一番長く住んだまちで、1999年に移り住みました。当時わたしは車もなく、車の免許すら無いという状況で京都から富山に移り住みました。市内のちょっと郊外に住んでいました。都会に住んでいると30分位歩くことは特別なことではないので、その郊外のエリアから総曲輪まで普通によく歩いていたのすが、当時の富山の街には歩行者がほとんどいないような状況で、大人が歩道を歩いていると、まるで珍しい動物を見るかのように、車の中にいる人たちから、すごい見られてたということが強く印象に残っているのですが、それが今では、本当にみなさん素敵に歩かれる方が多く、LRTを公共交通として生活に取り込んでいる方が非常に多いまちでして、いま私が様々なまちに伺ってよくお話させていただいていることは、富山に15年間住んで、まちというのは変わるし、人の生活は本当に歩くことによって豊かになるんだっていうことを富山で本当に実感できたので、そういったことをたくさんいろんな方にご紹介したいと思い活動しています。今日もあとでみなさん同士交流を持って頂ければと思うのですが、久留米、熊本、神戸、豊田から、私の友人たちが来ておりせっかくの機会なので、楽しく歩ける今の富山のまちを体感できたらと、午前中からまち歩きをしてきました。

 

ここから本題に入ろうと思います。

 

 私は九州福岡県の久留米市に今住んでいまして、まだ2年経っていないのですが、九州というまちに行ったことは何十回もあったのですが、住むようになって非常に富山と違う、簡単に言うと東京からの距離感を実は感じました。

 

 そこでまずみなさんにご協力いただきたいんですが、海外に行ったことがある人はどれくらいいますか?ありがとうございます。すごい数ですね。じゃあ、沖縄に行ったことがある方は?結構、いらっしぃますね。九州のどこかへ行ったことがある方は?ありがとうございます。

 

 予想とは違って(笑)結構九州に行ったことがある人が多かったのですが、それでもはっきりしたのが、九州は7県あるにも関わらず、沖縄よりは少ない結果でした。実は、グランドプラザで石垣島物産展を何回か開催していただいたことがあるのですが、その時に一番驚いたのが、石垣島に行ったことがある人が多いことに驚きました。富山のみなさんがほとんど石垣島に行ったことがあるんです。私の周りにいらっしゃる方々がたまたまなのかもしれないのですが、すごいなと思いました。

 一昨年の春から福岡県久留米市に住んでいますが、久留米に住みましたと友人に伝えると、いや、九州に実は行ったことがないんだよね。と、いう人が非常に自分の周りに多いことに気付いて、それは富山に限った話ではないんですけども、それで九州に来る機会というのを久留米に限らず九州そのものに来ていただく機会をどうしたら増やしていけるのだろうか。と、最近はよく考えています。

 

福岡県の久留米市は佐賀県とすごく近い場所です。

筑後川という日本で二番目に大きな川が流れているエリアで、筑後川の流域である筑後平野という非常に大きな平野にあるまちです。元々は、富山もそうだったと思うんですけども、水運という水の力でものを運んでいたので、非常に物流拠点として栄えたまちです。

ですが今は、物流というのはヤマト運輸さんや佐川急便さんとかが非常に発達しましたので、どこかから集めてまとめておいて、そこに人が取りに行くという必要性が無くなったわけですよね。昔は、筑後平野の物流拠点として久留米には問屋が確か800件ぐらいあったと聞いており、そういうまちでした。

 

これが筑後川で、大分県までいっているんですが、この筑後川の対岸が佐賀県です。佐賀県の鳥栖市と佐賀市があるんですけども、驚くことに鳥栖市にはほとんど病院がなくて、久留米というまちはブリヂストン発祥のまちで、サンシャのまちと言われており、医者、芸者、人力車が多いまちだったそうです。

医者というのはブリジストンの発祥者の石橋さんが医大を作られまして、それで非常にお医者様が育っているまちなんですけども、そのおかげもあり富山で言うところの中央病院ぐらいの病院が5つぐらいあります。たった30万人都市ですが。それでなぜ回っているかというと、久留米市に病人が多いというわけではなくて、この近辺の街に病院が無いんですね。本当に驚いたのは佐賀県鳥栖市なのに、鳥栖市のみなさんはほぼ全員福岡県久留米市の病院に通われています。それぐらいその気持ちの距離、文化の距離が近い同士で、文化圏としてすごく一体的になっています。

話を戻しますと、今は鳥栖に長崎への乗り換え口があり、久留米にも久留米と大分を結ぶ久大線というのがあるのですが、今は人が乗り換えだけをしている状態で、久留米に降りる方はほとんどいないです。

一番びっくりしたのは、久留米も実は新幹線の駅があります。ですので、新大阪から乗り換え無しで九州新幹線「さくら」に乗ってそのまま来れるようなまちなんですけども、土日のJR久留米駅のコインロッカーが一件も使われていないくらい観光客が来ていない状態で、本当にそういった中で久留米というまちを盛り上げていくにはどうしたらいいんだろうと考えました。

そこで、交流拠点を目指せばいいんじゃないか、と。要するに物流拠点であったということは、いろいろな場所から行きやすい場所にある。というのが久留米の強みなんじゃないかと考えました。

これは久留米に住んでから学んだことですが、久留米に札辻という五叉路があります。今はほとんど車がビュンビュン走っているだけの、ただの大きい交差点なんですが、実は物流拠点であったときに、北に向かえば博多港、南に向かえば大げさに言うと鹿児島、西に向かえば長崎を通じてアジアに水運でものを流していたまちなんですね。

東に行きますと日田。日田杉の日田ですね。瀬戸内海にも通じていたということです。この八女福島というのは、八女茶というお茶が有名なまちなんですけども、少し山深い所にもまた交流拠点であったそうです。富山でいうところの八尾ですね。火薬とか、蚕とか。そういったものをたくさんそこに卸して物流拠点にして、八女福島からさらにもう一回久留米に卸していたという歴史があるそうです。

 

その物流はみなさんご存じか分からないんですけども、アマゾンの倉庫が実は鳥栖市にあります。ですので久留米の事務所でアマゾンを午前中に頼むと夕方には届きます。それぐらい便利。近所で買い物する必要が無くなります。便利なために何かを失ったのだと思いますが、そういう意味では人は便利が好きなので。実際、私はよく使います。それくらい久留米は行きやすい場所なのですから、人と人が出会う交流拠点を目指すべきなのではないかと思いました。そのときに、じゃあ何を持っていればわざわざ久留米に人が行きたくなるんだろうか。そのときに学びの機会、目新しいこと、エネルギーのある人が来ること。そういったエネルギーが集まるような場所作りをしてみようと今、試みています。

 

ここで改めて実際の距離感を掴んでいただけたらと思ったんですけども、最初にお話をした通り、富山は東京から実は近いということが、久留米にいってそれがすごいよくわかったのですが、実際じゃあどれくらい距離があるんだろうと思って路線検索して調べてみました。富山、東京は391キロですね。久留米、東京は1,210キロもあります。

実際昨日わたしは、久留米を出て福岡空港から羽田まで飛んで、羽田から富山空港に飛んだんですけども、羽田から富山まではお弁当をゆっくり食べていたらすぐと感じるぐらいの近さです。ちなみに福岡空港から羽田は2時間弱くらいかかります。それでも早いんですけれども。

 

このときにまちセミもそうですけども、東京から先生を呼びたいなと思ったときに、往復2万5千円あれば呼べちゃいますね。ですけど、久留米から東京にお客様を呼びたいとなると、5万円弱経費だけでもかかると。それが結構5万円という金額はなかなか大変な額なので、そういった意味でもなかなか県外、九州以外のエリアから人を呼ぶという機会が非常に少ないように感じています。

情報の断絶を感じるというか、そこで私の周りにいる人たちにまずはいろいろ遊びに来てもらおうとはじめました。ちなみに富山、金沢は58キロなんですけども、久留米、熊本は80キロありまして、感覚としては私の中では富山と金沢の気持ちぐらいの距離感で久留米と熊本ってすぐ隣って思っているんですけども、実際の距離は結構あるのが現実で、九州は広いなと思います。

 

ここからは、久留米の具体的に今やっている活動をご紹介しますが、最初に正直、富山に移り住んだとき富山はあんまりイベントごととかが少ないまちだなと、1999年当時ですけども思いました。

実は久留米というまちは市民の団体が日本で一番多いといわれいるぐらい、小さいですけども、イベントはすでに300件ぐらいあるようなまちです。それがですね、本当に各々が各々の手弁当で手作り感満載で、自分たちの周りだけの人達とだけイベントをやるという状況でありました。

そこで、それぞれのイベントを企画されている代表的な若い人たちを横につながる機会を作ってみようと思いまして、まず集まってもらって、先ほど申しました交流の場にしたいと思っているので、勉強会をしたいと思っています。みなさんコアメンバーとして一緒に活動してもらえませんか?となり、今このメンバーと知恵つくプロジェクトという名前で活動しています。

このページは、実は知恵つくメンバーが書いてくれたことです。知恵つくメンバーは、おかげさまで九州では結構有名になりまして、コアメンバー自身が他のまちに講演に呼ばれる状況になっています。知恵つくコアメンバーが知恵つくをやり始めたことにより生まれた効果を書き出してくれました。

とくかく、みなさん九州に行ったことがある方なら分かると思うんですが、飲み屋が多い、飲み会が多いまちでして、本当によく飲むので、単なるちゃんとした目的を持った話し合いの場はあまりないんですね。

そこで、とにかく週に1回、最初のうちは毎週月曜日はとにかく集まりましょうということで、定期的なミーティングの場を設けました。それがしっかり定期的になりまして、完全に全員参加するわけじゃないんですけども、自分の都合さえ合えば行くと、定期的に月曜日の19時半からは会議だから空いていれば行くという状態が生まれています。

久留米のメンバーが素晴らしいなと思うのは、議事録を作るようになったのですが、議事録を作り、共有することで、話が元に戻らないんですね。そこにいなかった人は自分が行けなかったんだからということで、議事録を読みながら情報を共有しながらも、その議事録に書いてあることに「ん?」と思ったりしても、あんまり言わない。話がどんどん先に進むという特徴があります。そのあと必ず飲むのが好きなんですよ。九州の人というのは。

皆さん、ちなみにたとえ平日であっても0時を回らず帰ったりすると、「あ、これだから東京もんは」と言われますから。長いお付き合いされたい九州の方とは3時ぐらいまで行くケースが多いんですけども、がんばってぜひ3時までとことん付き合ってみてください。そしたら腹割る仲になれると思います。本当に平気で3時ぐらいまで飲むんです。九州の人はタフな気がします。それで語り合いました。その時に目的を持った話し合いをしたあとにお食事に行くので、非常に目的のある会話の仲間になっているということでした。

まちづくりセミナーを真似して、知恵つく講座っていうのを月に1回やってみようということになったんですけども、その時にですね、目的を持ってやるってことを考えてく中で、自分たちのエリア、自分たちがやっていることの課題、自分だけでやっていたら解決できなかったけれども、仲間がいれば解決できるかもと思って、課題を感じる、考える、伝え合うような仲にもなっています。

彼らがとにかく知恵と知恵がくっついて、ゆるやかなネットワークを形成できているっていうのが一番よかったと言っています。

 

西原糸店の西原さんという方が、知恵つくの代表をしてくださっている方です。彼の店は問屋街の中にある老舗の、もうすぐ100年というお店なんですけども、彼は知恵つくのメンバーの中で一番社会的にも活動していて、それは商工会議所青年部にも入っているということなんですけども、若い人が勝手にやっているというわけではなく、商工会議所青年部の何々委員会の委員長をやっている西原さんが代表をしているということで、社会的にも少しずつですけども、認められているようになっています。

また、彼が唯一固定のお店を持っている人だったんですね。やはりいつ行っても、ちゃんと誰かがいるとかですね、そうすると連絡がしやすいですし、物もお届けしやすいですし、そういった意味でも彼に代表となっていただいて、拠点にさせていただいているわけですけども、お店にとっても非常にメリットがあったようで、これまで久留米に県外から100名以上の方に私の周りだけでもお越しいただけているんですが、毎回、西原糸店には必ず寄りますので、久留米絣を気に入っていただいて購入される方も多く、彼としてもやっぱり自分のお店を拠点として提供している価値を感じていただいています。

 

こちらが知恵つく講座。これが一番今、定期的にやっているイベントなんですけれども、去年までは後半の半年毎月やってたんですが、今年からは奇数付きの最終月曜日にやっています。富山の方にもたくさん講師にも来ていただいておりまして、いろんなまちのいろいろリアルに活動されている方の話しを聞く会になっています。

この時に大事にしたのが、実は中心市街地ってなんなんだ?ということをしっかりと話し合いました。みなさんコンパクトシティで有名なこの富山に住んでいらっしゃるのでみなさん意識は普通に高いと思うんですけども、他の町で地域の活性化というと、どういった反応が返ってくるかというと、商店街に対するえこひいきかと言われてしまうことが多いんですね。彼ら自身も中心市街地を活性化するという意識、意味は肌感覚では感じていたけれども、自分の周りに、なんで中心市街地を活性化させることが大事なのか聞かれたときに説明できないと言っていたんですね。そこで中心市街地を元気にするということはどういうことなのかっていうことからみんなで話し合って、一番いまシンプルなみんなが納得しているのが自分たちがチャレンジしたい、何か例えばお店を出したいというときに郊外店では決して出せないわけですけども、まちという場所はそれだけ人が集まっていて、物事も集まっていて、チャンスがいっぱいある。集まっているもともとの場所だと。チャンスがある場所であることをまずは知る必要があるし、自分たちが使っていく必要性もあるんじゃないかということで今は気持ちよく活動しています。

知恵つく講座のなかで設定条件としておもしろいなと思っていることが、会場をあえて中心市街地のエリア内の空店舗だったり、空いている場所、これはちなみに倉庫なんですけども、使っています。

そういった自分たちがもし使いたくなった時に使える場所を探してみようということで、遊休物件を探すところからはじめて、照明とか、電源がきていないところもあるわけですけども暖房器具を持ちこんで楽しく使っているわけです。

「ちくごじまん。」と書いてあるわけですが、このまちづくりセミナーもそうだと思うんですが、講師にお越しに頂いた方を自分たちのまちにアテンドするんですけども、富山も昔、私がタクシーに乗って「富山でどこかいいところないですかね?」と言ったら、「いや富山はなんにもないから金沢に言っておいで」と言われたことがあるんですけど、今日もタクシーに乗ったら、天候の話から、今年はお客さんあの雪が少なくてね、すごくありがたいんですけど、この間東京から来られた方は雪を目当てに来られたのにさみしそうでしたよ、みたいな話までされて、富山の方のみなさんの文化度って、ますます高まっているんだな、タクシーの運転手さんまですごいなと思って感動していたんですけど、そういった意味では彼らは先ほど言った通り、ロッカーが使われていないくらい外から人があんまり使われていない状態なので、「何もないです」「いや、分からないです」と最初は言っていたんですけども、せっかく来ていただいたお客様に、筑後の筑後平野の自慢を伝えていこうということで、今こちらのほうを私がいなくてもみんながそれぞれアテンドをできるような状況になっておりまして、今は「ちくごじまん。」というプロジェクトが市と共同でツアー企画のコンテンツにならないかということで、今そういう準備も始まっています。

こちらが知恵つく講座のチラシなんですけども、本当にコンセプトはシンプルです。30代前半のメンバーがほとんどなんですけど、15人ぐらいいますけれども、みんなほとんど生まれ育ったのが久留米ということで、でも特徴はUターンなんですね。みんなそれぞれが久留米を一回離れて、東京、大阪という都会で働いて久留米の良さを再認識して帰ってきたメンバーなんですけども、そんな自分たちがこのまちでちゃんと食べていくっていうことを続けるために、このまちをちゃんと元気にしなくちゃという気持ちでやっています。

 

ちなみにこれは、かわむら食堂という食堂でして、久留米はゴム産業が盛んなまちなんですけども、ムーンスター、ブリジストンなどは久留米の会社なんですが、三交代で工場を回していたせいか、食堂が多いです。ぜひ皆さんも久留米に行ったら、久留米はとんこつらーめんの発祥地でもあって、おいしいとんこつラーメンもありますが、ぜひ食堂も面白いので行ってみてください。ちなみにこのかわむら食堂はマダムが二人でやってまして、政治ネタから下ネタまでオッケーという、いい男だとハグされるので注意してください。非常にノリのいい人たちなんですけども、そんなかわむらマダムたちがやっていて、なんと夜7時から朝5時まで60を過ぎてもいまなお、そんな元気な素敵なマダム二人が、「カカカッ」と笑いながらやっていて、一番安いメニューは300円でちゃんぽんだったかな?もうなにせ食生活は豊かというか、安いです。久留米は二千円あれば大体飲めます。それぐらいここで私は二千円以上払ったことないです。またぜひいらしてください。

 

その知恵つく講座なんですが、この六人の方が主に関西を中心に活動されているまちのスペシャリストなんですけども、ぶっちゃけて言うと私の友人で、とりあえず交通費と宿代と美味しいものを食べれるようにするから、ギャラはないけど遊びに来ませんか?とお誘いして来てくださった方々です。それでも先ほど交通費の説明もありましたけど、大阪からでも3万円ぐらいかかる状態です。お一人お呼びすると5万円ぐらいはかかります。それをどうやって捻出するか。彼らはやっぱり行政から補助金をもらったこともなければ、そういった手立てがあることも知らないような状態ですので、じゃあまず自分たちで集めようということで、参加費を2,500円徴収しています。それ以外に同じようにこのまちで飯を食っていこうと思っている同世代の企業様にスポンサーとしていただきまして、なんとかお金を捻出して今も運営を続けています。

 

その知恵つく講座を始めたことで、だんだん出てきた事業をご説明します。

 

まずは久留米絣のゲストハウスをオープンじゃない状態でやっています。オープンじゃない状態というのは、みなさんご承知だと思いますけれども、人を泊めるとなるといろいろとありますので、友達を泊めているという状態でやっております。なぜこれをやったかといいますと、久留米は久留米絣が有名なんですが、それを感じることができる空間がほとんどない状態です。要するに物として放っているけれども、インテリアとして使っているお店がほとんど無い状態です。使ってみたら一番いいんですが、それを感じられる宿泊施設もないような状態でした。そこでメンバーにリノベーションの世界では結構九州では有名になっている半田兄弟という兄弟で、弟さんが建築家、お兄さんが不動産の資格をもっていて、彼らが物件をしっかり持っていて、空いている部屋があるので使っていいですよ、タダで。ということで、とはいえ、こうやって泊まられた方からはお世話代ということで多少はお金をいただくのですが、その部屋を久留米絣のデザイナーのメンバーもいますので、久留米絣をたくさん使った部屋にしています。その時にこのお二人、右が大阪のgrafという活動の代表の服部さんというかたで、左がスタンダードブックストアの代表の中川さんなんですけども、こういった人たちが遊びに来た時に久留米絣ゲストハウスに泊まって、久留米絣を体感して、それを勝手に彼らがPRしてくれてるっていう状態を作っています。この久留米絣のゲストハウスの発想そのものは中川さんのアイディアで、こんなにいい本物のファブリックが残っているまちなんだから、体感する機会さえあれば買いたいと思う人が増えるんじゃないかということをヒントにやっておりまして、おかげさまで久留米絣のファンが増えて、毎回西原糸店で数万円買い物をされる方が多くてですね、本当にありがたい状態です。でもまだまだ商品化には至っていないので、これからだなと思っています。

 

今の話のおさらいなんですけども、地域に今はないけれどもあったらいいなということをしっかりと考えることが大切かなと思っていまして、久留米の場合は久留米絣を感じるような部屋、泊まれる場所でした。あとは、せっかく県外からわざわざ5万円もかけて来ていただいて、ホテルでお別れしてしまっては物足りないというか、とにかく人が好きな人が多いので、ずっと喋っていたい、ずっと関わっていたい人たちなので、ホテルのロビーで、じゃあお疲れさまでした。明日の10時にお迎えに来ますではなくて、泊まる場所にもみんなで入り込んでいって、ゲストによっては迷惑なときもあるんじゃないと思っているんですけども、朝ご飯まで一緒に食べれる企画をすることもありますんで、非常にコミュニティスペースがあることで生まれていることも多いんじゃないかと思っています。

あとはさきほど言いましたように、半田兄弟は空き部屋を持っていたので、提供しますと。ちなみに家賃にすると5万円ぐらい取っているお部屋だそうです。こういった友達同士だとできにくい話しがお金の話しかなと思っているんですけども、お金の話しほど実は重要だと思っていますので、長く続けるためには特にですので、お金の話しについては私がクールにクリアに言って、家賃の話しもしてもらって、今は1回一晩4千円で泊まっていただいて、月に大体10回以上は友人の方が来るようになっていますので、なんとなく、トントンぐらいにはなっているのかなという状態です。さきほどいった久留米絣デザイナーは一番左の古賀円さんという女性なんですが、彼女は久留米絣デザイナーなので、当然ですが商品のストックをたくさん持っているわけですよね。それを倉庫に閉まっておくのではなく、ここに飾っておくということで協力してもらっています。半田兄弟は実はのんびり屋さんなんですけども、円さんはすごく活動的なので、活動的な部分を半田兄弟に受け入れてもらって、結果、久留米絣ゲストハウスができて、今もこの部屋のおかげでたくさんの人が気軽に遊びに来れるようになっています。ちなみにこのお部屋は本当に居心地がいいそうで、というのはジャパンブルーと呼ばれていますが、鎮静作用もすごくあるそうで、仕事がはかどるとか、非常によく休めたと言っていただくので、今では周りの久留米に来ていただいた方達は、リピーターになっていまして、すごいんですけど、福岡に出張に来ていても久留米に来たり、この間は大分に来ていても、久留米に来ていたり、そんな物好きな人たちもだんだんですけれども、増えている状態です。

 

続きまして先ほどご紹介いたしました、古賀円さんですが、久留米絣を広めるためにかつて久留米にも行商の方がいたそうです。富山の薬売りと一緒でいいものを持って全国を飛び回っていたそうなんですが、その行商を再開したいと、自分がやりたいということで、この間、横浜の素敵な空間になんとお世話をしてくださる方がいて、非常にお世話になったんですけども、久留米絣をこのように持ち込んで、一日だけの久留米絣パーティーをさせていただきました。実は札幌と横浜とで既にさせていただきまして、今年はぜひ富山を狙っておりますので、よろしくお願いいたします。

やっぱりいいものを自分たちの地域だけで持っていても、ストックしていてもそこに人は来ていないわけですから、知る由もないわけですね。ですけれどもやっぱり本当にものはいいので、見る人が見ると、値段も多少高価なものもあるんですけども、でもそれで安いというものが多いので、価値を分かってくださるところに自ら届けるということで行商ツアーを復活させています。

このときも非常にたくさん売れて、もちろん何を黒として何を赤とするのかというところは問題ですけども、内情を聞くと、自分たちの経費ですね。シンプルな交通費と宿泊費は出ていると。その上、知っていただく機会を作れているわけだからぜひ続けていきたいということで、今年もいろいろなところで仕掛けようと思っています。

 

今の話を整理いたしますと、久留米絣をとにかく県外で伝える。本当によく言われるんですが、知っていらっしゃる方にとっては、久留米商人が持ってくる久留米絣というのはとってもいいものだったそうで、非常にそういった価値を知っている方が多いので、私たちは本当に先人の人たちの人力によって、届ければ伝わるという久留米絣はいいもんだと知ってくださっているわけですから、非常にいいスタートラインに立てるんじゃないかなと思っております。行きたいのは購買層です。とにかくちゃんと作って、雇用の創出まで久留米絣を作る、関わる人を増やして雇用の創出を作っていきたいと思っています。働く場所がないと、いい場所であっても住み続けることはできませんので、そういった意味では実は知恵つく講座に先日は高岡銅器の能作さんにお越しいただいて、能作さんがこれまでされてきた15年のことがまさにこういったことで、地場の産業を開拓していって今非常に雇用を増やしていらっしゃいますけど、そういった話を勉強して、次は自分達の番だと進めているところです。

先ほど言った横浜であったり、札幌であったり、行きたい地域にまず知り合いがいないと始まらない話しです。ですので、そういったネットワークを持つ、作ることは重要でありますし、ネットワークを持つ方がキーマンであれば、こんなに心強いことはなくて、私達は行くだけでいろんなことが出来ているというありがたい状況でして、札幌ではなんと、大通りでファッションショーまでさせていただきました。これはファッションショーの後の写真なんですけども、会ったこともない人に自分達が持っている洋服のサイズをなんとなくお伝えして、そのサイズに合う体つきの方を探しておいていただいて、来ていただいて、ファッションショーに参加していただくという究極のコミュニケーション力がないと出来ない話だなと思いながら、円さんは非常にコミュニケーション力のある方でして、大成功を収めて、この時の彼らもまた久留米に遊びに来た人が何人もいるような状況になっています。

今、言いました産業にして、人の雇用まで増やしていきたいということなんですけども、もう既にちょっとずつ始めていまして、めりこ市というのは左の写真の真ん中の中村路子さんが代表の会で、女性が活躍する場を増やすプロジェクトを既にされていました。メンバーが40人ぐらいいるんですけれども、それまではわりと集まって勉強会をしたり、集まって自分達の活動を知っていただくイベントをすることが主な活動だったんですけども、この久留米絣デザイナーの古賀円さんと中村路子さんがこの知恵つくプロジェクトですごく結び付いて、今は久留米絣の端切れでネクタイを作る商品も作っています。端切れというのは皆さんお分かりの通り、価値が無いものなんですね。その価値がない布をお母さん達が子育てをしながら内職的に働きに行かずに、一本いくらっていう感じで作っていただいておりまして、これを確か6,800円ぐらいの値段で売っている状態です。非常にこれも人気があって、県外でも売れるようになってきまして、あとはこれをちゃんと常設していただけるお店を作って、物を動かしていくというところまで着手できたらなと思っております。

 

これはちょっと脱線というか緩い話しなんですけども、富山というのは古墳が多いんでしたっけ?多いんですね。やっぱり。

豊かなところには古墳が多いんだなということを再認識しているのですけども、久留米も非常にたくさん古墳があるエリアですが、古墳がたくさんあるということも久留米の方たちにほとんど知られていませんでした。まずは自分達が古墳がたくさんある、ようするに豊かなところに住んでいるんだ、暮らしているんだということを実感するために、古墳に遊びに行く機会を作ってみようということで、古墳の上でなんと音楽イベントをやりました。これ実は私は関西にいたこともあるんですけども、例えば京都とか奈良とかでこんなことを言い出しても絶対にできないと思います。もう文化財として大変貴重なものですので、同じように当然文化財ですが、今までのお話しでなんとなく分かっていただけだ方もいるかと思いますが、久留米のみなさんは非常にゆるい人が多くて、これも久留米市役所の文化財保護課の管轄のちゃんとした市が管理している公園なんですけども、使っていいよ、と。私達は当然古墳そのもの本体の上に上がるのは偉い方が眠っているわけですから、それはまずいから脇でやろうとしたんですけど、「いやいや、やっぱり一番眺めのいい上でやってくださいよ」と言ってくださって、大きな木の向こうには筑後平野がわーっと広がっていて、本当に昔の人って景色を見る目があるなと思うんですけども、本当に一番眺めのいいところに、自分の眠る場所を作っておられ、その眺めを味わいながら、こういった自分達の地域を楽しく感じるということで、古墳フェスをやっています。

最後の方に市町村合併後の交流の機会と書いていますけども、久留米も大合併を10年前にいたしまして、非常にエリアが広くなりました。要するに中心市街地的な物流拠点であった場所辺りが久留米市だったんですけども、今は田主丸というエリアで、こういった田園風景がたくさんあるところも久留米市になっておりまして、そういった田主丸の人とお酒造りで有名な城島の人達ですけど、そういった人達の横の広がりを生む機会として若い人たち同士が簡単に言うと日中に昼から飲んで音楽を楽しんで、交流しているということです。この時におまけ的に生まれたのは、昼から飲みたいので公共交通を使うんですよね。みなさん、はっきりいってすごい車社会で車に乗らない人がいないくらいのまちなんですけども、田主丸に車で行ったことしかないから、田主丸にはどうやっていったら公共交通で行けるんだろうと調べるところから始まりましたが、最寄りの駅から3キロちょっとあったんですけども、ちゃんとみんなで歩いていって、なんだ歩けるじゃん、3キロぐらいの距離って歩いて行けるということを実感しながら、昼からますます陽気になって非常に楽しいイベントでした。これは今年も継続したいと思っていますし、話は脱線しますが、古墳群がある地域は非常に豊かな地域、強い地域だと思うので、古墳群がある地域同士の交流もこの古墳フェスというイベントを通じてチャレンジしてみたいなと思っております。富山にも素敵な古墳があるんでしたら、ちょっと探してきます。

 

今の話を整理しますと、とにかく古墳のあることを知らない人が多いと。なのでまずは古墳に遊びに行きましょうと思いました。古墳という言葉にもう少ししたらブームがくると私は思っているんですが、古墳に関する本やイベントが実は増えてきていまして、古墳という言葉に反応する人が増えていて、妙な普段生まれないような横の繋がりが出来る機会となりました。

 

今日いらしてくださっている宮口先生にも久留米に講演に来ていただいたのですが、宮口先生は非常に歌が上手い方なんですが、講演会の後にカラオケに行ったんですね。私はカラオケをしないので一緒に行くことがなかったんですけど、みんなすごく歌が上手くて、久留米は芸能のまちと言われているんですが、高良大社というそこに祀られているのが芸能の神様なんですけども、豊かで緩やかな時間の流れがあるせいか、芸能ごとと向き合う方が多いみたいで、非常に歌が上手くて、ですので音楽イベントもみんなが演奏者にもなれちゃうような状態なので、別に東京から誰かを呼んで来るということではなくて、市役所職員だけどもギターができる何々さんみたいな感じで、みんなが趣味の延長でありながらもクオリティーが高くてですね、すぐにイベントができるような状態であります。

 

先ほど言った最寄り駅が、3キロもあったんですけども、こんなに車社会なのに、駐車場がなんと5台しかない公園なんですね。なので逆に言うと大勢の人がここに来ることが想定されていないわけですから、まずは自分達が歩いて行ってみて、ごみとかもちゃんと持ち帰ってやってみて、人がたくさんくるようになれば、西鉄さんという公共交通事業者さまがいますのでシャトルバスを出していただけるような機会になっていけばいいと思っております。

こういったことがどんどん発展していきまして、今では久留米市役所の魅力向上推進室の人達に事業費もいただいておりまして、移住促進の事業も手掛けるようになりました。これも知恵つくメンバーです。まずはこの辺もいきなり無理なことをするんじゃなくて、かれらは30代前半、半ばですので、要するにみなさんも県外に出たことがある方、県外に出ている友人、知人の方がいらしたらと思うんですけども、結婚をして子供が産まれて、そろそろ例えば東京なら東京、大阪なら大阪というまちに自分は一生住むんだろうかということをふと考える時期ってあると思うんですね。そのふと考える時期に出会っている世代のメンバーです。移住計画という事業では東京と大阪でこの久留米に帰ってきませんかというイベントをしに行くんですけども、不特定多数の人に来ていただこうという努力をするのではなく、まずは自分の周りの今は久留米に住んでいなくて、大阪と東京に出ている友人、知人に声をかけて、久留米に帰っておいでよ、おかえり久留米と言いながら、事業を進めています。まだまだ微力ですけどもおかげさまで2,3人が既に帰ってきておりまして、この事業は継続していく予定です。すごいのは、敢えて書きましたけど日本酒で乾杯するんですよ。これは久留米市の事業費でやっているんですけども、久留米は日本酒が美味しいまちで、おかえり久留米を売りに、久留米の一升瓶を持って行き、まず受付で日本酒を注いで、日本酒をみんなで乾杯するところからスタートするという素晴らしいイベントになっていまして、お酒をちょっと入れることで気持ちも緩やかになり、久留米に帰りたいなと思っていただける機会が増えているんだと思います。私の中ではさすが久留米だなと思って驚いたので書いておきました。

 

ここまでが、まだ2年経っていないんですけども、いわゆる久留米でやってきた出来事をご紹介したんですが、なぜか私の周りにいる人達が横に繋がるのも、ある種の能力かなと思うんですけども、横に繋がる力を持っている人が多いんですね。今日のこの会を主催しているGPネットワークも横の繋がりの会で、始まった当初は十代から六十代までのメンバーがいて、世代も職業も関係なく、非常に仲のいいグループでして、4時間でもずっと喋り続けている人たちなので、なんでこんなに横にみんながちゃんと自然に繋がっていくんだろうといつも不思議に思っているんですけども、そこで今日はタイトルを「ヒトとヒトの間をつくる」ということですので、人と人の間を作るためには、どんな人がまずは向いているのかと、初動というのが何でも大事だと思っているんですけども、グランドプラザも、もう8年以上経ってですね、最初の時期にたくさんの勢いのある方たちに使っていただいたことで今も本当に楽しく使っていただけるようになったんですが、最初の勢いというのはどうしても誰かが最初に仕掛けないといけないのかなと思っているんですが、そのときに仲間となってくれる人が非常に大切で、そういう人たちっていうのは実はどういう人達なんだろうと私なりに一生懸命考えたのが、こちらです。

非常に食べるのが大好き、美味しい物が大好きな人が周りに多いように思います。しかも食べ方が綺麗なんです。綺麗に残さずに食べる人が多いです。昔聞いたのが、「食べ物の好き嫌いは、人の好き嫌いと一緒だ」みたいな話しを聞いたことがあるんですが、あんまり好き嫌いが無い人は、人に対しても好き嫌いが無いのかなと感じています。あとは団体行動もできるけど、単独でも行動できる方が多いなと。あと、とにかくやったことがないことをやってみようと思ってくださる方が多いような気がします。やっぱりいろんな人としゃべる機会を楽しめないと、横に繋がることはなかなか難しいと思いますので、人の話を聞けて、尚且つちゃんと人を否定しない、別に共感したり一緒に協調していく必要はないんですけども、人の話しを聞けるというのは最低限度、必要なのかなと思います。

最後のこれはけっこう大事かなと思っているんですけども、自分というものをちゃんと知っていて、自分の興味とか関心とか、好き嫌いが明快であれば、別にその人を無理強いする必要もなければ、好きなことを好きなだけやってもらうのが一番楽しいわけですから、そういったときに仲間にお誘いして、キャスティングというのが重要かなと思います。何々係と作るわけではないですけども、グループの中でこれが得意な人というのがおのずと出てくるんですけども、そういった時にその人自身が分かりやすいとお願いもしやすいのかなと思っていまして、先ほど最初に紹介した西原糸店の西原 健太さんはものすごく若旦那体質で、お世話役も上手ですし、頼んでもないのに乾杯の音頭までするし、頼んでもないのにお酌をして回るような人なんですね。ですので、彼はリーダーにピッタリだなと思っていてなっていただいて、。

そのキャスティングっていう、結局、自分の立ち位置が明快になると、なんかやってもいいんだ、自分がやってもいいんだと思っていただけるんじゃないかなと思っています。今はどうしてもいろんな人が様子をみるばっかりに、真ん中にボールが落ちちゃうようなことが多いんじゃないかなと思っていまして、そういう意味ではわたしがやっていることは、被害者の会と一部言われているというわけですが、そういう言われている由縁は、誰々さん、何々お願いみたいなことを平気でどんどん誰に相談するわけでもなく、どんどん自分で言って、自分で進めて、自分でキャスティングをしてしまうのが癖としてあるようで、そこでそういう風に言われてしまうことがあるんですけども、それによってその人がその人らしさを力強くのびのびと発揮する機会にも繋がっているんであればありがたいなと思ってるんですが、被害者と呼ばれている人達も今日たくさん来ていらっしゃるので、批判も含めて、あとで言っていただければと思います。

ということで、いい流れでジャスト一時間が経ちましたと。今日は私、「人と人の間をつくる」というタイトルを自分で決めておきながら、先ほど申してましたとおり、グランドプラザの話しはたくさんさせていただいております。みなさんの普段やってらっしゃる素敵なことをご紹介するという形でたくさんさせていただいているんですが、自分でやっていることを自分で話しするのが初めての状態でして、今日の話しも意外とメモを取ったり、写真を撮ったりしてくださっている方が何人かいて救われているんですけども、今日の話しは初めてしていまして、パワポも今日のために作っているような状態で、今日の話しが面白ろかったのかどうなのかは厳しめにアンケートを書いていただければと思います。今からの時間が実は大切だと思っていて、これを機会に質問とか、なんでこんなことするのとか、なんであの時、俺にそんなむちゃぶりしたの?とか含めて言っていただければと思ういます。

 

質問タイム

 

質問①

ごく簡単なことを教えてください。

久留米にどういう縁で引っ張られて、どういう人がどういう目のつけ方をして、何をやっていたのかを教えてください。

 

山下さん

ありがとうございます。

久留米に行ったきっかけは、グランドプラザの視察に久留米市役所の方がこられました。非常にいい施設だな、いい広場だなとすごく感激してくださったそうです。なんと久留米の人たちはすごいなと思うんですけども、グランドプラザにそのあと市長、副市長、部長さん、議長さんたちが30人以上代わる代わる7回ぐらいに分けてこられまして、非常にグランドプラザという広場の雰囲気を気に入ってくださったようです。それで、立ち上げスタッフが私であったということを知られて、お誘いいただきました。ようするに今度、久留米のシティプラザという施設ができるんです。4月27日にオープンするんですけども、そこにも広場がございまして、そこの開業準備のお手伝いをさせていただいています。170億かかっている大きな建物です。大、中、小ホール、会議室、ギャラリー空間がありまして、一番左端に広場的空間もあって、この大ホールに入る人たちがまず通りかかる場所として、ロビー的にまちと繋ぐ場所として広場を作っています。

この開業準備の仕事を請負いまして、昨年度から移り住んでいるという状態です。

 

質問①

富山の市民プラザみたいなものですか?

 

山下さん

はい、そうです。富山の市民プラザ、オーバードホール、グランドプラザの3つが集まったような施設です。本当に立派なホールで、ウィンフィルが来るくらい立派な音響があって、それで能楽堂のような中ホールもあって、お能が盛んなエリアで、能楽堂がないのにお能が盛んで、どこで踊っているんですか?と聞いたら、ご自宅で踊っているそうなんですけど。お茶も盛ん、お能も盛ん、ようするに食べ物が豊かなので、そんなに働かなくてもたぶん生きていけるんじゃないかなという勝手な想像をしているんですが、すごいまちです。

 

質問②

山下さん自身の立ち位置や役割をどのように言語化されているか聞きたいと思います。

 

山下さん

ありがとうございます。立ち位置ですか。いま立ち位置の話しで思い出したのが今日、司会をしてくださっている京田さんにグランドプラザの活用委員会という委員会が、グランドプラザが開業する3年前からあったんですけども、その委員会に関わらせていただくというきっかけが、グランドプラザに関わるきっかけに繋がったんですけども、そのときに私はもともと建築設計事務所で仕事をしていまして、図面描きだったんですけども、人と人との出会う場を作ることがなんとなく、昔から今思い返せば好きだったようで、今日実は豊田と神戸と熊本と久留米からみなさんが来て、いきなり10時半に富山駅改札前集合という形で、誰が来るのかも分からないのに20人くらいが集まってくださり、みんなで街歩きをするというツアーをしていたんですが、そういうことを昔から趣味で今思えばやってまして、京都に住んでいたときは京都のまちが大好きでしたので、京都のまちを案内するからといって、いろんなところから一人ひとり誘って自分の家にみんなで雑魚寝して、京都を町歩きするということをやっていたんですけども、その中で富山では、出会いの場づくりが好きだということの延長上でイベントを企画するのが、気が付くと立ち位置になっていまして、その時のイベントのお客様として京田さん来ていただいていたんですけども、それで先ほどいわれたように広場という空間ができるのに、なんかいろいろ楽しい企画をしないとたぶんうまくいかないんじゃないかと思われたようで、お声がけをいただきまして、活用委員会にまずは参加させていただいたんですけども、その活用委員会に参加させていただく際に、フリーランスでなんとなく趣味で活動していたので、肩書など特になかったんですね。名刺もなければ何もないという状態だったんですけども、役職とかが必要だから何がいい?と聞かれたんですけども、その時にお答えしたのが、メディエーターという言葉だったかと思います。メディエーターという言葉はほとんどみなさん聞いたことないと思うんですけども、そのときに偶々読んでいた本が申し訳ありません、ちょっと高尚な例え話で申し訳ないんですけども、小澤征爾さんと大江健三郎さんが同じ年だそうで、同じ年にうまれていという対談集をたまたま読んでいたんですね。そのときに大江健三郎さんがメディエーターという言葉を紹介されてまして、キリスト教でいうところにキリストがメディエーターなんだと。ようするに神様の言葉を人間、私たちが理解できるように言語化している役割と言われたんですね。その時に間を取り持つということなのですけども、私はその当時アーティストの方とかミュージシャンの方のお世話をするということが偶々多かったんですけども、そういう表現者たちはなかなか言葉だけでは表現しきれられないことがあるから、それでも伝えたいからこそ音楽であったり、アートであったりっていう表現活動をされている方たちなので、なかなか一般的な方に言葉だけでお伝えするというのが非常に難しいことが多いんですね。その時に自分はメディエーターとしていろんな人の思いを相手の方に分かりやすいような言葉、なるべくわかりやすい言い回しをしながら、伝えていくということが非常に自分にはできることなのかなということでよくやっていまして、その役割というのを言葉、単語、役職として何なんだろうと考えたときに、その言葉にであって、メディエーターというのを最初に使い始めたと思います。

グランドプラザに勤めてからは、それまで私は建築出身ですので、行政の方との知り合いというと、アトリエ系の事務所に勤めていたので、建築指導課ということころによくいって、建築指導課の方にすごい叱られるという経験しかほとんどなかったので、行政の方はイコール嫌いという状態であったんですね。最初の頃は京田さんに対しても、京田さんの部下の方に対してもけんか腰のことが多くて、たくさんご苦労をかけたんですけども、何が言いたかったかと言いますと、結局、行政の人は当然ですけども、行政の人達が使いやすい言い回し、分かりやすい言葉で説明されますが、民間の人にとってはそれは分からないことが多いんですね。市民課の人は民間の人で、民間の人の理由とか考え方や流れとかで、民間の人の言葉で話すわけですけども、それだと行政の人にとっては良く分からないわけですね。私はそこでもやっぱりメディエーターなのかなと思って、少しずつですけども、最初は全然できなかったんですけども、行政の人のものの考え方とか、予算の考え方とか付け方など、当然ですけどルールがあって、それを学ばせていただいたので、民間の人にそれをお伝えしてますし、民間の人はやっぱり民間の人でやり方が違いますし、突発的なことも多いですから、それをなんとかいいタイミングで行政のみなさんの事情とか時期に合わせて乗せるというようなことを今はさせていただいているのかなと思います。

 

質問②

そこがすごく大事だと思っていて、2つ思ったのが、1つはやっぱり面白ろさって、すごい面白いものを持ったり、見つけられる人というのは、自分はすごくよく知っているんだけども、一般大衆化できていないから広がっていかないのかなと思っているのを、それをやられているのかなと思ったのと、役所の言葉はよくわからないという話は私は思っていて、僕はたまたま役所のことも外のことも知っていて、そこの間を繋ぐっていうことをこれからやっていこうかなと思って、名刺の裏にそういうことを書いているのがたまたま一致していてうれしくおもって聞いていました。

 

山下さん

おかげさまで富山市は富山市役所の方、そういった方が非常に増えているように、活発じゃないかなと私は思っています。ありがとうございます。

 

質問③

自営業というか、フリーなことをやっている人間ですけども、中央通りの中心市街地の活性化ということに少々関心を持っておりまして、どういう風に個人でですね、何ができるかみたいなことを考えているんですけども、今、お話の中で、知恵つく講座の久留米の事例をされましたですよね。このまちでみんなで食っていくんですっていう表題というか、キャッチコピーを出されましたが、ようするに当事者意識を持っておいでの方がいるという話だと思うんですが、例えばこの中心市街地の中の商工振興会とか商店連盟ですとかね、そういう商店さんの組織ありますよね。そういう人たちとの関係というか、この知恵つく講座にぶらさがる人達の面々というのはどういう感じなんでしょうね?

 

山下さん

正直、簡単に言いますとあんまり関係ないという状況になっていまして。あんまり関係のない距離感を作ることがむしろ大事かなと思っております。

久留米のほうがもっとひどいんですけども、(すみません商店街の関係者の方がいらっしゃったらごめんなさい。)商店街があまり機能していない状態で、ようするに理事長さんとされる代表の方に話をしても、一店舗一店舗まで情報が行き渡るかといえばそうならない、なっていないんですね。ですので、非常にその商店街とはなんなんだろうなって思うこともありますけども、私はいい距離感が大事だと思っていまして、中心市街地の中で思い切り遊ぼうと思っていますけども商店街の方へは逆にあんまり相談していません。商店街の方が関わっていないところで遊んでいます。中心市街地だけれども、商店街の人があんまり考えてない、自分事と思ってないところで遊んでいます。ですので倉庫の中とか自分たちがオーナーさんを知っている物件などを活用させていただいています。逆に非常にありがたいのは、彼らがすごくがんばって今、メディアにも結構出てます。TV、新聞にも載っているんですけども、そうした中で商店街の理事長さんから実は声が掛けられました。ここが大事だなと思ってまして、六ツ門大学という市民大学を商店街の理事長さんが企画されているんですけども、そこの講師として彼らは話をしていると状態となっています。やはり全然別のベクトルで若い人たちが自分たちのまちを考えて、少し勝手に自分たちの知らないところで元気に、でもがんばっていると。しかもそれはちゃんと社会で評価されているからこそ、新聞に載ったり、テレビに載ったりするわけですよね。ここだけのはなし、新聞に載せたりテレビに載せたりすると社会的に評価されると思われますよね。ですので私はメディアの仕掛けもしています。やっぱりそういった社会的信用を得てないと話にならないっていう人が大人側は多いじゃないですか。そういう意味ではその社会的信頼を得たように見せることが大切だと思ってまして、そういった意味では新聞というのはとっても大切だなと思っていますし、今は商工会議所さんとか商店街の組合のみなさんとかですとか、ほんとにたくさんの諸先輩方から向こうから声をかけていただける状態になっていまして、非常にありがたいなと思っています。

ちなみに中央通りは本当にちょっとずつですけども、素敵なお店もできてこられて、中央通りの雰囲気が好きだといって事務所を構えた友人もおりまして、非常にこれから楽しみなエリアだと思います。

一つ急に思い出したのが総曲輪の事務局長の石黒さんが昔おっしゃていたんですけども、中央通りは住宅エリアとして住まわれている人がいらっしゃるじゃないですか。石黒さんうまいこというなと思ったのは、せっかく鯉が泳ぎ始めたのに、まだ金魚の餌しか私たちは出せていないと。要するにやっぱり広場のスタッフをしていたときに一番気を付けていたのはとにかくその場所をよくみるということなんですね。その時間帯にどんな人がそこにいるのか、どんなひとが歩いているのか、その人たちが求めることがなんなのか、それをちゃんと提案できれば、提供できれば人は滞在されますし、購入されるかもしれませんし、楽しまれるかもしれません。と思いますので、やっぱり鯉が泳いでいるのに金魚の餌じゃそれはいけないよなと思いながら、うまいこというなと思ったのを急におもいだしました。ずいぶん昔のはなしですけども。

 

質問④

この前、久留米にまいりまして、実際にシティプラザもみましたし、先ほど商店街の話しもあったので、ちょっと気になったことをお聞きします。

今ちょっと説明がなかったんで、これのすぐ裏に商店街がずっと並んでいるじゃないですか。グランドプラザもグランドプラザがあって、すぐ商店街が並んでいるっていう同じような形になっていますよね。いつもなんか言われていたのがグランドプラザに来るのはいいけど、グランドプラザから商店街の方に人が流れないよなという疑問をすごく思っていて、シティプラザはグランドプラザよりも囲まれていて、言ってしまえば建物ですよね。この中である種簡潔しやすい、もっと簡潔しやすくなって、人の流れがどういう風になるのか山下さんは想像されているのかお聞きしないと思いました。

 

山下さん

すごくいい質問をありがとうございます。

シティプラザはおっしゃったように、非常に立派な建物です。しかも学会とかコンベンション誘致することをがんばっているような状況で医学のまちですので、コンベンションはそれなりの数はあります。ですけども私は久留米のみなさんに言っていますのは、学会に来るような方々は駅からタクシーで会場まで来ますよと。シティープラザ前といえば、ここまでピュッと来て、ピュッと中に入ればそれは一瞬にも街に関わらないですよね。その人たちを帰りにどれだけ歩いてもらえるとか、アフターコンベンションが大事だと思っているんですけども、そういう意味では富山の皆さんは既にされているアイディアですが、アフターコンベンションというコンベンションのあとに、ちょっと早めだけど3時半ぐらいにおわったら4時から飲みたいわけです。ですので、アイドルタイムといって6時から営業じゃなくて、そういう日に限っては4時から店を開けるっていう努力をされたりとか、あとはまちの地図が無いような状態だったので、まちの地図を今作っていまして、見どころなんかをしっかりお伝えするような仕掛けを作って、正直、十分魅力というか面白いお店、美味しいお店は結構実はあって、路地が非常に残っているまちですので、そうした路地にちゃんと人が行っていただけるようになれば、久留米の魅力も少し感じていただけるような状況だと思っていますので、そちらを紹介する地図を作っていたりしています。

ちなみにもっと言いますと、久留米市は大きな駅が2つあって、西日本鉄道の西鉄久留米駅とJR久留米駅があります。県外から来られる方というのは私もそうでしたけど、JR以外の駅のことなんて思いもつきませんので、JR久留米駅を目指すわけですが、JR久留米駅はこっち側にここからだいたい1.5キロぐらいあるところにあります。面白いのは県外から来る人はほぼ全員JR久留米駅に降り立って、バスなりタクシーなりでここに来られますけども、生活者の久留米市民の皆様はJRに乗ったことが無いっていう人がいるぐらい西鉄さんに乗ってます。ですので、西鉄さんの久留米駅がここから800メートルなんですけども、元々は西鉄の久留米駅に岩田屋さんという百貨店があり、こちらにはこのまさにシティープラザが建っている場所には井筒屋さんという百貨店があり、まさに2画1モール800メートルのアーケードの商店街として非常に成功していたまちです。ですが、井筒屋さんが10年ぐらい前に撤退した途端、岩田屋さんに儲けが行くのかと思いきや、一気にこちらも16億ぐらい下がりました。みなさんほとんど博多に行かれます。博多まで西鉄さんでもたったの560円30分で行けますので。まちなかの商店街の奥様に、美容院は博多に行っていると聞いた時、私は気絶しそうになりました。まちの人がまちで何かしないでどうするんですかと思いながら、そんなことはまだ久留米では言えないですけど、そういった状態で、他人事ではなく、みんなが自分事にしていかないといけないんですけども、ハードルは高いことは言っています。

ただですね、すごいまた変なお話を思い出しましたけど、久留米のみなさん、九州のみなさんと言ったら語弊があるかもしれませんが、呑気なんですね。例えばこれだけの事業ができますので、それなりの人が来るでしょうから、周りの再開発とか改装とか当然このオープンに合わせてしませんか?そんなことないですかね?なんとですね、広場のアーケードに面した反対側の角地がやっと急に動いて、いま更地なんですよ。ということは開業の日の4月27日は絶賛工事中で、開業式典が広場であるにも関わらず、ガーッという音や煙などをあげながら開業式典を迎えるんじゃないかと思いドキドキしているんですけれども。なんていうか、みんなで「せーの」という感じにはなかなかなりにくいですね。みなさんそれぞれの感性と行動力で生活されているまちです。ですので、そういった方たちがゆっくりですけど、確実に商売が好きな方が多いので、それを2,3年ではだめですけど、2、3か月はやっぱり待った方がいいのかなと思っています。夏ぐらいにはきっとですね。

 

質問⑤

僕のメモの中で、立ち位置を明確にするということがあって、それのキャスティングをすると人がやりやすくなるってことなんですけど、それには人を観察する力が必要かなと思うんですけども、どういったポイントで人の観察をされているのか?見ているのか教えてほしいです。

 

山下さん

今日は私の種明かしみたいになっていますね。まずいなあ。

非常に私は観察摩です。観察が好きです。だから女性が前髪を切ったことも気づきます。それで言います。人は自分の変化に気づいてくださるということは、自分にちゃんと関心を寄せてくれていることで、自分に関心を寄せてくれているということはある意味愛情だと思うので、それはやっぱり喜ばれる方が多いのかな?という風に思います。

まず観察をしてます。かなり。分かりやすくいうと、懇親会の時とかに私は実はほとんどしゃべってないんですよ。みなさんが好き勝手に酔っぱらいながら、酔っぱらってるからこそ言う発言って多いじゃないですか。みんな誰の話しも聞いてないじゃないですか。簡単に言うとですよ。みんなが好き勝手に喋っている雰囲気も作るのがまず大切ですし、そういった状況を作ることも大切です。私はさっきも言いましたが、その人自身がやりたいこととか好きなことを思い切ってやってもらうことが一番楽しいんじゃないかと思うのでその時にたわいもなくいろんな人がいろんなことを言ってたりするじゃないですか。そういうことをけっこうメモしたりインプットしたりして、機会がきたらパスを出すようなことは無意識ですけども、しているかもしれないですね。

でもさっきの話しで、観察が大事だと気付かれてすごいですね。私はそれに感激しました。まさに観察が大事で広場もそうですけど、自分の思いで自分の都合で勝手にやっても人はそんなに巻き込まれてはくれないですね。ですので、相手のタイミングとかそういう意味では、今日は富山市は議会中だそうで、市役所のみなさんはあまり来れない人が多いと聞いてごめんなさいと思いながら今日を迎えているんですけども、そういったみなさんの都合もちゃんと知るということが大切なのかなと思うんですけども。

日程調整だけは早くします。半年ぐらい前からします。それぐらいの意気込みでやらないとみんな忙しいじゃないですか。ですので結構わたしは先々のスケジュールを勝手に立てるのが好きで、さっきの古墳フェスも夏の満月の日にやろう。古墳から満月を見たらきれいかなと思いまして、夏の満月はあったとしても2回ぐらいじゃないですか。夏の満月を勝手に秋のうちに調べて決めて、その日古墳フェスやろう!というだけいって、やろうだけいっておけば別に負担ではないですから、いざやるときにご負担はおかけするかもしれませんけど、やろうとだけいっておけば、やろうとみんながなって、なにやんの?とか俺はなにすればいいのとかがかえってくる。こういう感じでやっているのかもしれません。

 

質問⑥

勝手にGPネットワークのお手伝いに参加させていただいております者です。今日はありがとうございます。被害者のみなさまからいろんなお話を伺っていて、今日山下さんにお会いするのが本当に楽しみで参加させていただきました。豊田からお越しの鈴木さんの質問で、お答えになられたところが私も聞きたいなと思っていたところでした。

 

山下さん

ちなみにGPになんで入られたんですか?

 

質問⑥

参加し始めたのは、理事長にお声掛けいただいて、まずはワイン会に参加するようになりました。それでそのワイン会の中で、年代性別職業問わずいろんな方とお話しできる場所はそうそうないと思って、あんなにフランクに楽しくいろんな方とはじめてお会いできる場、知り合いが増える場というのがないと思い、それから参加するようになり年月がたちました。

 

山下さん

ありがとうございます。カジュアルワイン会の話しが出たんですけども、定期的に広場という開かれた場所でワイン会をやってまして、もう5年目ですね。毎月第二木曜日18時半からやっております。みなさんもぜひいらしていただきたいんですけども、この定期的にやっているというところが一番大事だと思っていまして、約束を立てたり、人を誘ったりする必要がないんですね。要するに第二木曜日の夜になんとなく自分の時間が空いていたら広場という開かれた場所に通りかかってみて、メンバーを見て、あ、あいつがいるから行こうとか、あの人がいるからやめておこうとか、その時の気分で決めれるというのがカジュアルワイン会の価値かなと思っているんですが、そういったところで、いい会があるんだなと思っていただいて、非常にメンバーが増えているっていうところもあるかと思います。本当におかげさまで最初のころは20人もいないメンバーだったんですけども今は70人にも増えて、各地いろんな場所で広場を作ろうとされている方が多いんですけども、カジュアルワイン会も「いちまち、いちカフェ運動」という風に宮口先生に教えてもらって思っているんですけども、こうやって開かれたコミュニケーションができる場所をしっかりと作っていく、場を作っただけでは場所にはなりませんので、それが一番大事かなと思っております。

 

質問⑦

今日ちょっとお話しいただいた中で、気になったのがキャスティングのところが気になりまして、心当たりはあります。いろいろと乗せられてやったなというのはあるんですけども、その中で今回久留米の話しもありましたけども、失敗ってなかったのかなというのが気になって、すごい成功ストーリーだけ聞いているのですが、きっと失敗とかあったんじゃないかなと。どういうところを失敗したのかとかお聞きしたいと思います。

 

山下さん

村井さんは彼が学生の時に知り合って、グランドプラザができる直前にグランドプラザがこれからみんな何したい場所ですか?っていう映像を撮るっていうイベントというかお遊びを一緒にした仲です。

失敗はですね、なし。っていったら答えになっていませんね。

私は自慢じゃないですが超楽観主義前向き主義でみなさんご承知かと思いますが、何を思って失敗と思うかというのがありまして、例えば今失敗って言われて急にフラッシュバックしたのが、グランドプラザをする前にライブの企画をよくやっていたんですね。6人演奏者の方が東京から来るライブでした。私は面白い場所でやるのが好きだったので山奥でやったんですよ。そしたらたった4人しかお客さんが来なかったんですよ。2500円もらっても1万円にしかならない。はっきりいって、お金のことでいうと失敗です。だって1万円しかなかったら東京から6人来れないですからね。失敗なんですけどね。そのライブはめちゃくちゃ楽しかったみたいで、ミュージシャンの人とあんなに近くに一緒になれるひと時をその時確かバーベキューもしていたので、6時間ぐらい一緒にいたと思いますけど、そんなに楽しいライブはないといって、その4人の人がものすごいいろんな人にそれをしゃべったんですよ。だから何百人という人にこの間のライブおもしろかったらしいね。と言われたんで、広告費だったかなと思ってまして、そういう考え方なので失敗はないと言ってしまって、いやいやあれがあっただろと思っている人がすごいいると思うんですけどもそういう意味では失敗はないって思っているんですね。でもいつもそうなんですけど、いまの知恵つくも赤字だったときが無いわけじゃないです。お金だけのことでいうと。でもそうじゃなくて、私はいつも思うのは今日この場にたまたま縁があってご一緒している人達とちゃんとどれだけ楽しく来てよかった。お互いこれやってよかったね。と思ってもらえるかという状況を作って持ち帰ってもらうかということが大事だと思っていまして、そういう意味ではカジュアルワイン会は最初の3年は本当に大変で、どんなに寒くてもやったんですよ。亡き理事長の五艘さんがどんなに寒くてもやると。5人しかいないとか、寒いとかいいながらやるんですけど、お客さんが来ないし、だけどやっぱり定期的にやってたということで、三年目ぐらいから100人越えをいきなりするんですよ。それで石の上にも3年だなっていつも思うんですけども本当にどんな状況であってもまず楽しむ。トラブルではなく全てをハプニングにしてやっていけばですね、全てのことは私は感じ方だと思っていますので、「悲観主義は気分に属し、楽観主義は意志に属する」という私の好きな言葉がありまして、全て起きていることは現象で、今日だってもっと実はたくさん来る予定だったのにこれだけしか来てないんですよねという状況ですよね。これをいま、運営側はあと20人きたら3万円だったのにと思うか、今日は最終日にこれだけたくさんの方が来てくださって楽しくてよかったと思ってもらえるのかは彼女の気分次第なので、でもそれがすごく大切だと思いますし、そういう捉え方が大切だと思っております。

 

質問⑧

富山大学4年です。今までのこととか、今日の話しを聞いていてやっぱり人間観察から人の個性とかを見つけることで動いていくのかなと思っていて、人のことを理解とかどういう人かとか分からなかったら、どういう人が集合して、どういう場所に集まって、それがまちとかの個性になっていくと思ったんですけど、自分も地元に帰ったらそういうまちとか市民性を持っている人が地元にいるのかとかを意識して仕事をしていきたいなと思っています。

 

山下さん

素晴らしい宣言をありがとうございます。彼女はゲストハウスを富山でやってみようと仕掛けた学生さんです。

 

質問⑨

福岡から来ました学生です。よろしくお願いします。

今日はちょっとツアーも参加させていただいて、まちも歩いたりさせていただいたんですけども、まちも道とかも本当にきれいで、環水公園も市民の人達がいっぱいいて、使われてる感じがしたんですけども、グランドプラザとかがきっかけでそうなったかもしれないんですけども、そのなんか明らかに人が変わったなという部分のタイミングとか行動があれば教えていただきたいなと思います。

 

山下さん

明らかに変わったなと思ったのはグランドプラザが出来たときは、まだ当然ですけどもできたばっかりは変わらなかったです。私が一番印象的なのは、富山県の真ん中の富山市のその一番真ん中の晴れやかな場所であるはずなのに、スリッパとジャージで歩いている人が何人もいました。最初。実は。

それは本当に私はショックでしたし、まちなのにと思いながら、でもやっぱり今日も富山駅を県外から来られた20人の人達と見に行っていたんですけども、やっぱり富山駅もそういう空間になっているんですが、人と人同士が見る・見られる関係性がたくさん生まれる空間になっています。

ですので、2階のスペースに上ってみたんですけども、ようするに誰か大好きな人が帰ってきたときにあそこに立っていたら、改札を出るより先に見えるわけじゃないですか。そしたらあーっと手を振って、たたたっと行って改札の前に行って迎えに行けたりもするし、すごくいろんな人が行き交っている様を見ているだけでも非常に楽しくてですね、やっぱり富山の駅は素敵ですねとみなさんにたくさん言っていただいたんです。

グランドプラザができて、LRT、セントラムとかポートラムの素敵な路面電車が走っていて、窓が大きいとか、電車そのものが素敵とか、空間そのものが綺麗ということで、非常にみなさん着飾る気持ちになったり、人に見られるということを意識できる。今日も20人で私達はポートラムに乗らないのに富山駅でずっと電車の写真を撮るわけですよ。中にいる人からしたら、普通に乗っているだけなのに見られるし、撮られるし、誰かの写真に写っちゃってるわけですよね。でも富山の方って意識されてないと思うんですけども、そういうことに既に慣れていらっしゃって、違和感がないというか、困った顔もされないし、すごく普通に穏やかにそれを受け止めていらっしゃるわけですけども、そういった中で見られているということは無意識かも知れませんが意識されていると思うので、そういったことでオシャレになってらっしゃいますし、非常に嬉しかったのは、おしゃれして出掛ける人が増えましたし、私の勝手な観察によりますと、手を繋いで歩く男女が増えましたね、介護とかいう意味じゃないですよ。子供連れというわけではないですよ。いろいろな世代の男女が手を繋いで歩く方が増えましたし、あとすごく嬉しかったのが、「新とんかつ」というとんかつ屋さんがグランドプラザに面しているんですが、平日の日中からアルコールメニューが出てくるようになりました。これがすごいまちのとしての変化だと思います。平日の日中にアルコールを飲んだら?って言ってるわけですから、ぜひって思うことも多いわけですけども、昔はそういうことは全くなくて、非常に健全にとんかつだけを昼休みに一生懸命に食べて帰る人が多かったわけですけども、いまでは平日の日中であっても富山のまちの散策を楽しまれて昼からちょっと喉も乾いたし、ビール一本ぐらい飲もうかという人が増えている証拠なんだなと思って、そういったところにまちの変化を感じます。

ですので、本当にグランドプラザができてどうこうというよりも、様々な先ほども申しましたように広場であったり、駅であったり、公共交通であったり、いろんな人と乗る乗り物ですので、自然と見る・見られる関係が増えるわけですけども、見る・見られるという関係をどれだけ増やして、楽しんで多様性を持たせられるかということだと思うんですね。

 

これはでも武雄市の図書館に行った時も感じたんですけども、有名な武雄市の図書館ありますよね。せっかく九州に行ったんだからと思って、ちょっと前だけど行ってきたんですよ。何にもないんです。今日私は武雄市に初めて来て、お昼どこで何食べようか困るなって思うくらい駅前にも何にもなくて、もともとは湯治場として温泉が有名なまちなんですけども、図書館があんなに報道されていて、あんな風な空間だからどれだけのまちなんだろうとワクワクしていったら、簡単に言ったら図書館だけだったんです。簡単に言いすぎてごめんなさい。図書館はやっぱり何がいいのかなと思ったら、見る・見られる関係が生まれやすい空間作りになってました。ですので、都会的空間というのはどんな場所であれ地域であれ必要だし、楽しいって思われるんだと思うんですけども、都会的空間て何なんだって時にガラスをたくさん使えばいいということじゃなくて、見る・見られる関係性が生まれるような空間構成になっているかどうかじゃないかなと私は思っていまして、そういった意味では富山駅も見る・見られる関係性が生まれやすい空間構成になっていまして、撮り鉄の人がいたらおすすめポイントを発見したんですけども、あそこに地鉄さんのホテルが面していて、あそこの上の方は泊まらないと入れないのかもしれませんが、入ると角が全部ガラスになっていて、要するに富山駅のバスターミナル辺を上からめちゃくちゃ見えるんです。そうするとちょっと富山のおかげでプチ鉄子状態なんですけども、いろんな路面電車が出たり入ったりしているんで、それを見ているだけでもすごい楽しくて、地鉄の有山さんが偉くなったらあそこをBARコーナーにしてほしいなと今から思っているんですけども、本当に楽しいスポットです。やはり人というのは動いているものを見るのがただ結構好きですし、それが人であっても電車であってもいいのかな。でもその対象が素敵であれば、より楽しいんじゃないかなと思っております。ありがとうございます。

 

質問⑩

シティプラザを作るのに山下さんが呼ばれたのだと思いますが、そこで実際にどういう仕事をしたのか教えてください。

 

山下さん

実際にまずやったのは、いろんな人に会いに行きました。当然ですけど、パンフレットを持って利用料金表を持って会いに行きました。要するにグランドプラザもそうでしたけど、ここが自分が使いたいと思ったら使える場所なんだということをちゃんとまず知っていただかないと使ってはもらえないです。公共施設は公共施設なんだから、みなさん使っていいですよは当然じゃないですかとみなさん思っているかもしれませんが、そうではないです。ですので、この場所はこのくらいの値段であなたも使えます。ぜひ使ってくださいというのをそれこそ専門学校から企業の銀行さんとかですね、そういったみなさまにとにかくお伝え歩いているということがたぶん一番やったことかもしれませんし、あんまりそこに対してそういった大切さに重きをおいていらっしゃらなかったんで、そういった意味では少しは力になれたのかなと自分なりにそう思いたいなと思っております。

ですので、グランドプラザの私、県外でお話しさせていただくとき、一番自慢させていただいているのは高校生が使っていることですね。地元の高校生が3月にダンスのイベントを自分達で高校は必須科目でダンスがあるんですけども、自分たちが習ったダンスをたくさんの人の前で発表したいと。そのときに高校生のみなさんはなんとグランドプラザで踊りたいと言ってくださって、ここは場所代がかかるスペースなんだよといったんだけど、じゃあみんなで100人ぐらいいるんで、一人800円ぐらい払うことになるんですが自分たちで払ってやりますということでもう何年も続いているイベントです。3月の最終土日ぐらいにですね、100人ぐらいの高校生が踊るんですね。それだけで空気が踊ってまちがたのしい場所になりますけども、その時に高校生が勝手に自分の記念にたくさんツイッターやらで踊るからみにきてーとグランドプラザの宣伝をしてくださっているわけですから、本当にありがたい利用者の方々に支えられているなと思っておりまして。

 

最後にですね、一つわたくし、ご紹介したい話しがあったんでその話をさせていただいて、終わりとさせていただこうと思っております。

 

官能都市ということば、聞いたことある人はどのくらいおられますか?ありがとうございます。

全然私の話しとは関係ないです。私がすごい素敵だなと思っている事業なので紹介しようと思って、今日持ってきました。HOME’Sという研究所がだしている冊子で、身体で経験する都市、センシュアス・シティ・ランキングというのを昨年出されました。これみなさんご購入できます。ネットで購入できますが、ぜひこの考え方がこれから肉体、身体を使ってまちを楽しむということこそ大切でして、そのものさしがなかなか今までなかったんですね。例えば歩行者通行量とか地価って言うものでまちというものをはかりつづけているわけですが、どうやら図り切れないものがたくさんあって、それがむしろ大事ですよねということで例えば今日はさらっと8つのことだけ紹介します。

1、共同体に帰属していると感じるか

2、匿名性があるか

3、ロマンスがあるか

4、機会があるか

5、食文化が豊かか

6、街をかんじるか

7、自然を感じるか

8、歩きやすい街か

この8箇条の具体的項目をそれぞれ4つずつ作ってそれを不特定多数のおんなじ人数の人に都市ごとに聴いたアンケートの結果がこちらのランキングとなっております。富山も当然入っておりまして、4の機会があるが44位。5の食文化が豊かが16位、最後7の自然を感じるかで11位となっております。こんなに歩きたくなるまちになっているのに、歩けるということころにまだまだ入っていないのが私として悔しいんですけども、金沢は全体の上位8位に入っています。私は別に金沢だけが官能都市だとは思いませんし、富山も十分本当に魅力的なことを起こしやすい、暮らしぶりが豊かになりやすい状況には日本で一番になっていると思いますし、世界的にもたくさん評価を受けているまちですので、もっともっとみなさんにこの3のロマンスとかですね、この辺にチャレンジしていただいて、まちなかでキスをするとかも入っています。ぜひみなさん一回ぐらいいかがでしょうか?

 

今日はぜひこの官能都市ランキング上位を目指そうというキャンペーンを勝手に富山ではじめたいと思っておりまして、作られた代表の方が島原万丈さんというかたで、私は来年度以降のまちづくりセミナー今度はプレゼンテーションして、島原万丈さんを呼ぼうと今日思いながら来ています。

 

以上



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