レポート

まちづくりセミナー2011

第3回講演録 講師:武田邦彦氏 中部大学教授

2011/12/24 

3回 平成23年1224

演題 「富山市のまちづくりは本当にエコなのか?!」

講師 武田 邦彦 中部大学教授

 

はじめに

武田でございます。富山は関係の会社があって、良く来ます。

今日は、シンポジュームということでお世話になります。市長が来られるという、間違った情報もありまして、市長に敬意を表して市長の尊敬しておられる人の言葉を最初に用意しました。

 

「目先にとらわれずに長い眼で見る。」

「一面にとらわれずに多面的に見る。」

「枝葉末節にとらわれずに根本を見る。」

 

市長がお好きな言葉だそうですが、このようなことをちゃんと考えていたら、おそらく、リサイクルはしないし、CO2はジャンジャン出すでしょう。

 

現在の環境問題は、この言葉の反対で、目先にとらわれ、一面だけ見て、補助金がほしいと思っているのでリサイクルして補助金もらっている。

我々が、富山のまちづくり、もしくは富山のこどもたちの富山、50年後の富山を考えると全く違うようになるのではというのが私の考え方です。

対抗して、山片蟠桃の「大知」という言葉を紹介しますが、これは、私が良いと思う人ですが、知恵にはいろいろありますが、私は民主主義信奉者で、多くの人の知恵を集めた方が、一人の優れた人の知恵よりも程度が高いと思っています。

 

先ずは原発の話を

そういうことで今日の話を始めますが、先ずは原発の話しですが、これは、向こうが1号機の爆発、手前が3号機の爆発の写真ですが、本当はこの写真や映像が繰り返し流れて、十分な説明がつきますと、随分皆さんの不安も解消し、正しく認識できたのに、残念ながら、この日本であるのに報道管制が敷かれて、こういうのが一切報道されなかった。

 

原発が爆発しても、原発から放射線が出るわけでは無いですね。多くの人が誤解していますが、原発が爆発して原発から放射線が出るのなら、遠くに逃げたほうがいい。原発から放射線は出ない。放射線は出るなら、福島の原発で働いている東京電力の人は皆死んじゃう。

原発が事故を起こした時に出る黒い煙、一般的に死の灰と言いますが、あれが風に乗って飛んで行くので、距離にはほとんど関係なくて、風下が被爆するということになります。

 

あの、チリが流れてくるわけですから、例えば、志賀原発が爆発して、富山の方に風が来たら、糸魚川の方に逃げたら、風が追っかけてくるので、長く被爆する。チリを吸い込まないように、マスクをして横に逃げることが大事です。

 

このことを、今回政府が正しく説明していたら、飯館村や伊達市の人たちは相当被爆量が少なくて済んだはずで、もしもあそこで癌が発生したら、私は傷害罪だと思う。NHKで解説していた東大の先生たちは、僕の4~5歳下の後輩だが、そういうことは十分に知っている人たちです。

 

ここで、科学をご存知の他人は、遠くではなくて、直角に逃げろと言わないといけないし、チリが来るんだからマスクをしろと言わなきゃいけなかった。私は「やしきたかじん」の番組を降ろされちゃいましたが、セシウム137は経口致死量だと青酸カリの2000倍の猛毒ですが、青酸カリの致死量は200mg位です。ところが放射線はものすごい猛毒なので、11個数えるわけで、ベクレルというのは、1個の原子が崩壊したときが1ベクレルです。

そのことを言ったら、猛烈なバッシング受けまして、全国の新聞に「武田教授不適切発言」と書かれて、ある新聞記者に何が不適切かと聞いたら、「事実を言うからだ。」と言われた。

事実を言うと不適切かと聞いたら、「不適切だよ。降ってきた人が可愛そうじゃないか。」と言われた。僕の子どもが放射性物質の降ってきた場所にいたら直ぐに言いますよ。

まあ、そういうことです。

 

この写真からは、煙の高さも見えますし、いろんなことが良く見えます。放射性物質は目に見えないから怖いと言いますが、目に見えるのです。しかし目で見える状態で接すると死んじゃうのです。だから目で見た人はみんな死んでいるのです。

火山灰といっしょですけど、火山の灰のように道路の端に積もっていたら、人は皆死んでいる。だから、これくらいの煙が岩手県から長野県の広い範囲に飛び散っただけで影響がある。

 

世界には430の原発がありますが、非常に恥ずかしいことですが、運転中に壊れた原発は日本だけです。世界の原発で運転中に壊れた原発は1個もありません。

チェルノブイリがあるじゃないかと言われるかもしれませんが、あれは、わざと電源を切って、事故から立ち上げる練習をしているときに事故が起こったのです。漫画みたいなものですね。

それから、スリーマイル島というのは、部品を交換している時に手間取ってメルトしたんです。

普通に運転していて壊れた原発は、世界で日本しか無いんです。

だから、僕は日本人に良く言うのです。海外で原発は危険だというなよと。そしたら日本のことだといわれるぞと。

 

この図の×は、震度6で壊れた原発です。壊れたというのは、棚から物が落ちたんじゃなくて、設計上壊れたということで、壁が落ちた、配管が外れた、放射性物質資が漏れた、爆発したとか、設計上震度6で起こってはいけないことが起こったものです。

 

私は、恥ずかしながら、若い頃、原子力を間違って20年もやっちゃって、おかしいなと思って止めて、耐震指針委員をやっていて、震度4くらいなのです。2006年、今から5年前にもうこんな原発なんて運転できないと喧嘩別れして、委員会止めて、日本の原発は地震で倒れるという内容の本を2冊書きました。しかし、全然売れないのです。だって、あの頃みんな日本の原発が地震で壊れると思っていないのです。それで、今度、福島が爆発したら、二つの出版社から電話がかかってきて、「武田先生、すごい予言ですね。」と言われましたが、予言じゃないのです。技術的に設計基準を読んだのです。

 

この近くですと、石川県の志賀原発。これが2004年の能登沖地震壊れたんですが、もう一回運転しますと必ず壊れますね。あれがこわれますと結構富山厳しいのですよ。もう直撃ですな、1,2,3,4,5,10,12月に爆発するとほとんど一撃で終わりです。

 

原子力発電所は広島原爆の1000倍あるのです。今度の福島は80Kベクレル、200倍漏れました。だから、今度の福島は広島型原爆を200個落としたと同じ放射性物質があそこに出たのです。すごい量なのですよね。

 

広島は3年位で人が住めるのですが、チェルノブイリは25年で全然住めません。600km離れた所でも、部分的に風が行ったところはまだ今でも作物を植えられません。だいたい100年間は失うのです。

 

私は、富山が環境都市というなら、先ず志賀原発をやめないといけないですね。だって、10年間でこんなにやられているのです。そのうち放射線が漏れたのは、柏崎刈羽と福島と女川です。全電源が止まったのが、青森東通りと福島と茨木の東海第二です。東海第二は爆発寸前までいって、みんな緊張していたら、そこでポンプが動いて事なきを得ました。

 

日本は震度6の地震が年に1回来ますから、志賀原発は20年位の間には志賀原発は爆発しますね。そうすると富山の土地は100年失います。

 

そんな、ゴミ袋やレジ袋なんて騒ぎじゃないので、そんなものはやめといた方が良いです。100万キロしか実際に動かないから石油や石炭で良いのですよ。なんですかね。

 

日本の原発はなぜ弱いか

じゃあ、日本の原発はなぜそんなに弱いのかというと、2つの理由があります。直接的には、よその国の原発は全部内陸にあるのです。フランスもアメリカもそうです。地震も無いのです。

 

その設計を日本に持ってきたので、日本の原発は耐震設計が無いのです。もちろん、対津波設計も無いのです。だから、電源が全部地下にあるんです。モーターも配電盤も地下にあるんです。そんなこと、日本で海岸に工場を作って、地下に電源を置いておくなんてことは絶対にありません。なぜそうなったかというと、設計したアメリカは内陸ですから水が来ない。だから地下で良いのです。日本は海岸で、しかも1階に大きな開口部があるので、津波がこなくても、少しの水でも危険なのです。ちょろちょろの水でやられたのが東海第二です。

 

防潮堤を高くするというふざけた考えもありますが、あれは中途半端だめです。本当は電源を3階に上げれば良いんですが、それはやらないんです。なぜかというと、原発は安全だという神話があるので手を付けちゃいけないのです。議論がかみ合わないのです。

 

日本人は、原発が安全だというお札を床の間に貼っていて、首相も大臣も知事も市長もみんな安全だと、とことんそれでいく。今でも、日本人は原発が安全だと言っている。

 

それなのに現実は柏崎に世界最大の原発を作って、東京に電気を送っている。なんであの場所かと聞くと、さっきまで安全だと言っていた人が、「危険だから」という。

日本人は安全と危険を使い分けるのです。

 

僕は、フランスに長くいたんですが、フランス人は全然違っていて、原発は安全だと確信しないと作らないし、安全だとなれば、場所には関係なく作るという感覚です。セーヌ川の上流にも原発が2か所あって、セーヌ川には原発の廃液や冷却水が流れているのです。下流には上水道の取水口があります。

 

日本だったらそんなことはしない。だけど、フランス人からすると、日本人がおかしい。原発が危険なら、場所に関係なく作っちゃいけないでしょ、となります。このことが、ものごとを安全にしています。なぜなら、下流に取水口があるので、絶対に放射性物質を流すわけにはいかない。

日本も東京の電気は東京湾に原発を作り、京都で使う電気は琵琶湖に原発を作るようになれば、日本も原発が安全だと言える。

 

原発が、安全か危険かという議論は大変難しい議論なのですが、日本の原発は壊れたけど、フランスの原発は壊れていない。しかし、フランスは、高速増殖炉、日本のもんじゅと同じものを、スーパーフェニックスというのを研究していたのですが、途中で危険だと判断し、スパッと止めたのです。

 

日本だと、始めたらなかなか止められないでしょ。なんとか誤魔化しながらやるでしょ。これは民族性なのですが、日本人の民族性と原発は合わないのです。もっと、論理的な民族なら良かったのですが、地震の国なのに安全だと海岸に作って、危険だと僻地に作って、もう安全と危険がぐちゃぐちゃなんです。

 

私はそれが嫌で5年くらい前にやめちゃったのですが、日本人の持つ2面性ですね。我々は、何をしたらいいのか分からなくなっている。

日本人は電気が欲しいなら爆発しても良いというふうになる。フランス人は、危険ならやらなくて別の発電となる。

非常に簡単なのです。危なかったら、原発はやらなければ良いのです。原発と火力発電の値段はほとんど同じです。資源も同じです。原発は便利だからやれば良いのです。それから、僕は錯覚があって、石油・石炭は枯渇すると思っていたのです。だって、NHKや朝日新聞は正しいことを書くと思っていたのです。騙されていたのです。

 

だんだん、長じると、NHKは嘘ばっかり言っているとわかってきたので、自分で考えるようになりましたが、それまでは、NHKは正しいと思っていたのです。脳死状態だったのです。

 

私は、原発はもうだめだと思っています。科学者は事実に忠実じゃないといけない。あの爆発を見てまだ安全だというのは、科学者じゃない。

 

JR東日本はたいしたものです。あの2004年の中越地震で脱線しましたが、その後、改良に改良を重ねて、瞬間停止もするようにして、今回は27本の新幹線が走っていたのですが、ほとんど脱線なし、負傷者ゼロです。

 

技術というのは、現実的に安全をどうするかというのが大事です。

東京電力は、腐っていますね。昨日、電気料金を20%上げるのは自分たちの権利だと言っていましたが、どういう権利ですかね、あんなことしていて。

とにかく、富山は志賀原発が一番危ないので、早く止める事が、環境都市の先ず、第一だと思いますね。

 

石油・石炭の話

それから、石油・石炭の話をしますと、私は、昔は考えもしないで新聞を信じていたのですが、石油・石炭は無くなると思っていたのです。10数年前に、名古屋大学の資源の教授になったんですが、そのころ、よく考えずに、先入観で石油・石炭はやがてなくなると、本に書いたんです。そうしたら東大の恩師の先生から手紙が来て、何を根拠に石油・石炭がなくなるとお考えですかという内容でした。私が資源の先生でなければ、みのもんたが言っているとかテレビがいっているとか書けばいいのですが、それは恥ずかしいので、もう一回、3年かけて調べ直してみたんです。そうすると、安い石油石炭が無くなるのが8000年、最終的に無くなるのは500万年という答えが出て、それを先生にご報告して謝り、本にも書きました。

そうしたら、名古屋大学の山内先生から電話がかかってきて、自分も計算してみたら、安い石油・石炭が3万年、最終的に600万年となった、と言われた。二人で近いですね・・と得心しました。

 

石油石炭はだいたい1万年あります。

人間は、1000年先は考えられないのです。1000年前をよく考えるとわかりますが、1000年前というと紫式部ですが、紫式部に原子力発電所の安全はどうですかとか、光源氏に携帯電話通じますか、なんて聞いても、何のことか分かりません。

 

100年だってそうです。

100年前、電車無い、ライトレールだけじゃないです。飛行機無い、自動車無い、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、水洗トイレ、ガス湯沸かし器、もちろん、原発、パソコン、レーザー、通信・・・、我々が今使っているものは、ほとんど、この100年の間に使い始めたものばかりです。

 

その前の100年はもっとすごい、電気も無かったんですから。汽車が生まれたのは1825年ですから、それまでは、歩くばかりでした。すなわち、100年で我々の生活は大きく変わるんです。石油・石炭はどんなに少なく見積もっても1000年ありますから・・・。尖閣諸島で揉めていますが、イラン・イラク並みと言っていますが、イラン・イラク並みなら100年分しかない。しかし、東シナ海全体では500年から1000年分位あります。昨年、オーストラリア、ブリスベンの石炭鉱山を見てきましたが、あそこだけで1000年分くらいあります。

 

石炭とか石油は無くならないですよ。これからは、気楽に、ガソリン消費の少ないハイブリッド車は捨てて、もっとガソリン消費の多い車に乗り換えないとだめです。

やがて、1万年後は核融合をするでしょうが、今は全然心配する必要は無い。1000年後を考えてもしょうが無い。1000年後の人からすると、傘をさしていたらしい、ライトレールは、わざわざ10分待って乗っていたらしい、なんて酷いとこに住んでいたのというに決まっています。

今から心配する必要はありません。

 

地球温暖化について

また他にも心配性の人がいて、富山みたいに寒いとこにいるのに、地球温暖化が怖いという人がいます。

温暖化のことは、全部嘘です。なぜかというと、CO2を出すと空気は温まります。空気があたたまっても、水は暖まりません。地球の表面の2/3は海なのです。海を暖められるのは太陽だけなのです。海はどんどん冷えようとしているのです。だから、地球は氷河期が大部分なのです。最近600万年の周期では、2万年が温暖系、11万年は氷期です。氷期には富山は全部氷河になって、生物は住めません。そういう状態が11万年続くのです。

 

まえの11万年に絶滅したのがネアンデルタール人、おしいところまで行ったのです。あの寒いところを8万年くらい生きたのです。そして4万年位前に絶滅したのです。

そして、新しい僕ら人類が生まれたのです。今は、人類が繁栄していますが、ネアンデルタール人が生きていたら、僕らはいませんから、絶滅して良かった。

絶滅というのは良いことで、絶滅することで次の種が出てくるんです。そして、今の人類がいるんです。

だから、絶滅を防ごうなんて変な考えはダメなのです。

 

お風呂を沸かすときに、水をガスなどで沸かしますね。 実験してもらえば良いですが、お風呂場にストーブを持っていって、お風呂場を40度位に暖めても、お風呂は沸きません。

だから、富山市の気温は富山湾の水温で決まっちゃうのです。水は空気の3500倍の比熱がありますから、富山市の人がCO2をどれだけ出しても気温は変わりません。

安心して、CO2を出してください。市役所がしているかどうか分かりませんが、昼休みの電気なんて消してもムダですから、ただ暗い人生を送るために消すようなものです。

もし、反論があるなら、富山市役所の電気を消したら、どれだけ気温が下がるのか出してほしい。10万分の1度とかそんなもんです。無駄なことして、新聞も読めないでしょ。北日本新聞の人はクレームした方が良い。

 

温暖化というのは、本当に多面的に見ないといけないのですが、温暖化すると南極の氷が溶けるという人がいるのです。名古屋大学の物理の先生なので、理由を聞いてみたら驚きました。暖かくなると氷が溶けるからという理由でした。これには唖然としました。

違うんです。氷が溶けるのは0度を越したら溶けるので、マイナス40度からマイナス35度に暖かくなっても溶けないのです。富山の人は知っていますよね。

南極の気温はマイナス40度です。

南極が温暖化したら、南極の氷は少し増えるのです。それは、海が少し暖かくなって、蒸発量が若干増えるので、雪が増えて氷も増えるのです。これが正解です。

 

それから、オゾン層を破壊するなんて言いますが、オゾン層は15億年くらい前に、生物が吐き出す酸素でできたのですが、その頃の気温は20度くらい高いし、CO2濃度は今の100倍くらいありました。

もともと、大気は全部CO2でしたから、金星や火星はいまでも生物がいないので、全部CO2です。

地球には、生物が生まれたので、CO2を分解して、C(炭素)を自分の体に取り込んで、酸素を出したんです。我々はCO2から出来ているのです。かつて95%あったCO2が今や0.04%になって、間もなく、生物は絶滅するのです。

僕の計算では後500万年で生物は絶滅します。500万年は直ぐです。地球が出来てから37億年、多細胞生物が生まれてから5.5億年です。5.5億年CO2を使い続けて着たんです。あと僅かしか残っていない。

だから、我々はCO2神社でも作って、毎日拝まなきゃならない。それなのに、低炭素社会なんてバカなことを言う奴がいる。自分の体が炭素でできていると知らないのと思います。それで、なんで低炭素社会を推進しているのと聞くと、みのもんたが言っていたという。ひどいものです。IPCC( 気候変動に関する政府間バネル)の報告書には、ちゃんと書いてあるのに、それも読んでない。

 

ツバルという国が、海水面が上がって水没しているというテレビをNHKがやったんです。ツバルには気象庁があり、海水面を計っていますから、9cm下がっているのです。下がっているにも係わらず、浸かっているというテレビをNHKがやったのです。2006年4月29日、クローズアップ現代。ひどいものです。

ツバルという国は、戦時中、米軍が簡易な滑走路を作ったのです。その滑走路の上に、新住民が家を作って住んでいるのですが、その一部が陥没しているのです。そこが膝上まで水没するのは、1年に1回、2月の末しか無いのです。

そこで、僕は、NHKのクルーがツバルへ行った日を調べたら、222日でした。なんて、汚いことをやるのだろう。やらせじゃないですか。

 

人間は、こういう情報を信じちゃうので、なかなか抜けないのですが、全部嘘です。

その嘘を信じて生活まで変えようとしているのは、おかしいのです。節約、ゴミを減らすとか、資源が無いとか、全部嘘です。

 

全部が嘘

リサイクルすると資源の節約になるとか、ゴミを減らすと環境が良くなるとか、原子力発電は安全だとか、CO2が増えると温暖化するとか、これは全部嘘で、わざわざ、嘘を張るのです。

なぜかというと、これは、非常にうまいトリックを使っているのですが、人間の心の問題と科学の問題をすり替えているのです。

 

例えば、科学的には、ゴミは増えたほうが環境は良くなる。ゴミが少ない時は環境が悪いんです。例えば今のインドネシア、ひどい状態です。物が無いのでゴミも少ないです。それが立ち上がって、物を作り始めると環境が壊れるのです。それは、もともと自然が片付けるペースで人間が使っていたのです。それが、物だけ増やしてこっちをやらないのです。

 

そうすると、成長過程でズレが起こるのです。物が売れると環境が悪くなるのではなく、物を増やしていく時に環境対策をやらない時期が来るのです。人間でいうと思春期です。体の伸びと心の伸びが一定してなくて、ズレが起こるのです。これが環境破壊です。だから環境破壊は成長期に起きるのです。ヨーロッパは1950年代、日本は1970年代、中国は今。必ず成長期に起きるのです。

 

日本は、今はゴミの量は高度成長期前の10倍になっています。かつて、2億トン、今は20億トン、だけど、今の日本の方が環境は良い。空も水もキレイです。ゴミが多い方が環境は良いのです。

 

以前、ゴミを減らせNPOの人とシンポジュームしたのですが、ゴミが増えるとどこの環境が悪くなるかと聞いたら、驚いたことにそのひとは答えられなかった。ゴミが増えると環境が悪くなると思い込んでいるだけです。

資源が少ないといったら、資源は1万年ありますし、アメリカも中国も資源は全く節約していない。

アメリカは、自動車用ガソリンを世界の53%使っています。アメリカは自動車輸送国です。アメリカは石油の動向には非常に気を使っています。アラブとは軍事力を使ってマネジメントしています。それなのにアメリカは、鉄道を引いていません。なぜか、それは石油が1000年あることを知っているからです。

 

だから、節約を押し付けるのはダメなんです。タバコの禁煙運動は大嫌いです。今、環境・環境と言っていますが、憲法での義務は、教育と勤労と納税しか無いのです。だから、それ以外は自由なのであって、何でも他人に押し付けてはいけないのです。

 

日本人は、非常に優れているのですが、例えば、日本人は麻薬が禁止されていなかったのに、大麻を吸わなかった。大麻を禁止したのは、戦後の進駐軍なのです。日本人のまじめさの表れです。

 

この図は1930年の人口分布ですが、毎年100万人位生まれて、だんだん亡くなって、減っていくのですが、これを理想的なピラミッドだという人がいます。でもそれは変です。

よく、ピンピンコロリと言いますが、ピンピンころりというのは、生まれてから年をとるまで、病気もしないでもちろん亡くならないで、みんなが100歳くらいまでいって、一斉に亡くなるということになりますが、そうすると、人口ピラミッドは四角になります。年よりは割合多い。

 

ところが、三角のピラミッド型は、年寄りが少なくて、若い人が多いから、年金制度には良いのです。

ですから、あなたの人生にはピンピンころりが良いけど、年金には三角のピラミッド型が良いということになります。しかし、三角のピラミッド型というのは、80歳が頂点だとしたら、40歳で半分亡くなっているということになります。

 

中には、今のお年よりはそのままで、子どもを増やせば良いという人もいますが、そうするためには、日本の人口が4億人にしなければなりません。今の大人は、誠実な日本人ではない。

 

ゴミの話し

さて、ゴミの話しですが、分別収集しているごみはキログラムあたり80円掛かるんです。ところが、分別しないで燃やすと、2350銭しかかからないのです。もちろん全部燃やしています。中国に出したりしたら、国際協定違反です。

 

ですから、今の時代、分別が生きがいという人がいますが、その人たちには、分別ゴミ袋として50円くらいもらった方が良い。分別の方が悪いんです。余計なことしてお金が掛かっているのです。

分別したゴミはリサイクルして使ってほしいというのは、甘い考えです。誰も使ってくれません。全部焼いているのです。役所は60%リサイクルしていると言ってますが、あれは嘘です。その証拠に、原料の輸入は全然減ってない。

 

まとめて焼くなら、最初から分別しなくても良いでしょ。分別して使う人がでてきたら分別すれば良い。

名古屋は最初にリサイクルを始めましたが、今は止めました。今は混合収集です。

我々大人がしっかりしないといけませんね。

 

富山の計画について

じゃあどうしたら良いかというと、富山の計画は良いです。ライトレールは素晴らしいです。何人乗っているかということよりも、ああいう試みが大事です。そして、街がきれいになりました。街が繁栄するには、デザインも大事です。富山はこれからどんどん良くなると思います。

 

日本は特殊な国です。外国ではどこでも城壁の中に人が住んでいました。なぜかというと、国がなかったので、城壁の中にいないと皆殺しになります。彼らは、日本を不思議がります。日本にはお城があるけど、そこにはお殿様だけで、市民は外。市民は皆殺しなのかと聞かれますが、それは違いますね。日本では、お殿様が代表して死んでくれて収まります。日本の特殊性です。

 

鎖国が解けて、日清戦争が起き、旅順に進攻したとき、日本兵が突撃したら何倍もいた清の兵隊が皆逃げ出したのです。それも、国の違いです。国が無いからです。だから、日本ではお城を中心に街が栄えても、お城から10キロ離れても、まだ、住宅と田んぼが混在している。外国ではそんなところは無い。城壁の内側にいるからで、自然とコンパクトな街ができる。

 

コンパクトシティは作った方が良いと私も思いますが、私の提案するコンパクトシティはドームなんです。直径2km位のドームを作って人間が住むのです。そうすると、先ず、傘屋や瓦屋がつぶれます。自動車もトラムも無くなります。ベンチに座ると勝手に運んでくれます。蚊も蝿もいません。冷暖房費も安くなります。犯罪も減ります。富山だったら、深層水を引いて空調すれば、気温が一定します。放射性物質が飛んできても大丈夫。素晴らしいでしょ。

 

2km位のドームを富山にスポッとあてはめると良いとおもうんです。森市長が来られたら言おうと思ったのですが、LRTはもう止めて、次はドームにすれば良いです。高さは300m位で、技術はもう出来かかっています。だから、20年後位にドームを実現したら、ものすごく魅力的な街になります。

富山は、立山のような自然もあるし、積極的な市長もおられるので、その富山でドームを建設し、芸術と学問を発達させたら人は集まります。

 

僕は、人生は楽しむためにあるのであって、その楽しみ方は人によって違うと思っています。山登りが好きな人もいれば、家にじーっとしているのが好きな人もいるし、いろいろです。

 

だから、節電することについても、電気をたくさん使いたい人もいるので、節電を強要することがいけないと言っているのです。僕はパチンコも押していますが、パチンコだっていろいろありますが、そんな楽しみしかないことの方が問題なのです。

 

科学者の夢

そんな、個人個人の人生を楽しく過ごせる社会構造を作るのが、僕なんかの科学者の夢なんです。

私が、リサイクルに引っかかったのも、私は今まで科学とか工学をやってきて、それをどういう思いでやってきたかというと、例えば、雪の降る日に赤ちゃんが病気になって、病院に行くとき、昔は、お母さんがおぶって毛布をかけて行ったが、今は、温かい自動車に乗せて連れて行く。

 

それこそが、僕らの夢です。僕らエンジニアはそのために働くのです。

 

リサイクルしてはいけないという本を十数年前に出版したときに、僕が言いたかったのも、リサイクルが必要なら、エンジニアがリサイクルの工場を作るべきで、市民がそれぞれ分別リサイクルしなくて良い。そういう社会を目指すべきだと考えています。

 

僕は、絶対うまく行くと思います。一人ひとりが、今日より明日を良くしようと思ったら、良くなるに決まっているじゃないですか。時々、間違いはあっても、全体の方向性は良い方に向かうはずです。しかし、シュリンクしてはいけない。縮こまろうとしたらダメです。朝起きて、ご飯食べて、会社行って、仕事して、上司に怒られて、帰って寝るというだけなら、僕は人間じゃないような気がします。

 

ああ、富山に生まれて良かった、自分は幸せだと感じられる場所が必要なのです。

私は人を虐めるタイプの環境都市ではなくて、我慢しなさい、質素にしなさいではなくて、お年寄りが若い人を道連れに我慢させるのではなくて、若い人にはもっと遊んで良いよという方がまともなんだと思います。

 

何が問題なのか

私は大学の先生をしていて、今、一番問題だと思うのは、学生が卒業しても就職先が無いことなんです。人間にとっては、働くということは非常に重要で、働き口が無いというほど悲惨なことは無いのです。

 

私は、50歳以上の男の一番大事な役割、唯一の役割は若い人に職業を残すということだと思います。お百姓なら田畑を残す。漁師なら船を残す。鍛冶屋なら道具を残す。これをやってやらないと子どもは職業に付けないのです。子どもは勉強することはできても、職業を作ることはできないのです。これは親父が作っておかないといけない。これが親父の最大の仕事です。

 

ところが最近の親父はひどいのです。

中国人とタイ人のために職業を作っている。そして自分たちの子どもが就職できない。

僕は名古屋にいますけど、名古屋で大学を卒業した学生の4割が就職できないのです。学生たちは、決して、選り好みして我侭言っているのじゃないのです。このことを「やしきたかじん」の番組で言ったら反論がきましたが、その一つは、就職できないのは、その学生が勉強しないからだというものです。

 

とんでもない話で、勉強をしたものだけが就職できて、勉強しなかったら就職できなくても良いという発想がおかしいんです。日本人として生まれ育ったら、全員が就職できないとダメなんです。

 

学生の希望は、無茶なものでは全くなく、せっかく機械工学の勉強をして大学を卒業したから、その関係の会社が良いとか、親が高齢なので、実家からあまり遠くは難しいとか、極めてまともな希望しかありません。それでも、就職できない。

 

そんなことも出来なくて、何が環境ですか。何がエコタウンですか。

環境で一番大切なことは、みんなが就職できて、そこそこお金があって人生を楽しめるというのが、まず、基礎的な環境じゃあないですか。

 

だから、レジ袋なんてどうでも良いじゃないですか。僕が調べたら、レジ袋というのはポリエチレンでできているのですが、レジ袋を止めたら、ポリエチレンの使用量は4.3倍に増えたんです。

なぜかというと、レジ袋は薄くてポリエチレンの使用量は少ないのですが、レジ袋を止めるもんだから、ゴミ袋を余計に使わないといけない。しかし、ゴミ袋はレジ袋より厚みが2~3倍あるので、結果的にポリエチレンの使用量が増えることになったのです。

 

すなわち、レジ袋を追放するひととか、分別をする人とかは、環境を破壊していることになるのです。

ぜひ、この機会に、よく考えてほしいと思います。

 

では、これで、終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

 

 

<質疑応答>

 

Q1.        今、富山ではスーパーでレジ袋を配らなくなったのですが、そのために環境センターでは、ゴミを焼却するのに灯油を増やしていると聞いたのですが、そうすると、レジ袋を止めて得をしたのは誰かと考えると、スーパーが得をして、焼却に税金で灯油をかけているとしたら、レジ袋を推進している県はおかしいのではないかと思うのですが、いかがでしょう。

 

A1.         その通りです、こんな不合理なことをしているのは県が何らかの利益供与を受けているに決まっています。間違いありません。

 

 

Q2.        エコエコと叫んでますが、エコカーにしても、買い替えてもらって、儲かっている人がいる。我々は欺かれているのじゃないでしょうか。

 

A2.         その通りです。

 

 

Q3.        パチンコについてですが、パチンコは何兆円産業とか言いますが、そのお金が朝鮮半島に流れているといわれていますが、僕はそれで反対です。

 

A3.         僕は、朝鮮の人が日本に来て成功したのだから、それで良いと思います。だって、朝鮮の人は日本で皆失敗したほうが良いのかというと、そんな法律も無い。僕は、朝鮮の人も日本に住んで成功したならそれで良いと思う。日本人はそんなに性格が小さくないはずです。

 

 

Q4.        高齢者には現在、定年延長の話がありますが、一方で、大学生の就職が60%しか決まっていないという現状があります。年金は60歳でもらえば良いのではないでしょうか。

 

A4.         年金の問題は難しいので、今は止めますが、私は高齢者であれ、若者であれ、元気で働けるのなら、働くべきだと思います。一定の年齢で一律に働くなという発想がおかしい。

 

 

Q5.        志賀原発の話がありましたが、もし、志賀原発が福島のようになったら我々はどうしたら良いのでしょうか。

 

A5.         富山へは、半日以内にチリが来ますから、先ずは、インフルエンザ用のマスクを用意しておくことが必要です。マスクをすると被爆量は大幅に減ります。水、ペットボトルを用意しておかないと行けない。風向きによって、直角に逃げる。放射性物質が風で流れる幅は10kmです。だから、横に5km逃げれば良い。

 

あと、今、危ない食べ物は、新米、きのこ、牛乳、太平洋の魚です。

瓦礫なんか引き受けてはダメです。福島に閉じ込めないと、全国に拡散してしまいます。そもそも、10マイクロシーベルト以上は移動してはいけないという法律があって、罰則もあるので、それを動かすということはダメなんです。

 

 

Q6.        原発事故後、ディズニーランドは最高の入場者だそうですが、あそこは大丈夫なのかということと、どこかで、ラジウムが検出されて大騒ぎしていましたが、一方でラジウム温泉に浸かっている人がいますが、あの関係はどうなのでしょう。ストロンチウムが非常に危険なようですが、その検査がされていないのはなぜですか。

 

A6.         ディズニーの件ですが、放射能の人体への影響は分からないというのが、世界の合意事項です。これは重要です。わからないけど11ミリシーベルトという一応基準を決めたのですが、日本では基準を超えた人がいないので、まだ、わからないのです。それが、子どもで20ミリでしょ。ドイツは0.1ミリが基準です。事故が起きたとたんに安全だというのはおかしいです。ロシアでは、子どもと女性を逃がしたんです。子どもと卵子を守るためなのです。日本は全くしていません。なぜこの話しをしたかというと、新宿から東は1ミリを守られないのです。

 

ラジウムは被爆すると、体にがん細胞が出来るのですが、同時にTNFという物質も増えて、それを直すのです。そして、TNF物質は体内にしばらく残って、その後も体を守ってくれるのです。ストロンチウムは原子炉では、セシウムとストロンチウムは同量ができます。セシウムは空中に出やすいのですが、ストロンチウムは海に流れ出ます。そうして、魚の骨に取り込まれ、やがて食卓、ゴミ焼却炉といくはずです。それを止めるのは難しい。しかし、政府は測定もしていない。これは問題なのです。今まで、日本人は、原爆を問題にしてきましたが、今回、日本人は公の海を汚染してしまいました。いろいろ考えないといけません。

 

 

 

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